本作の見どころは、「失踪の真相は何か?」を追うだけでは終わらない点にある。岩松了が描こうとしたのは、いなくなった本人よりも、残された側が自分は被害者だと思い込み、その感覚に縛られていく姿だという。探すことは愛情にも見えるが、いつの間にか「自分が安心したいだけ」になることもある。本作は、その危うさを静かに、しかし確実に見せてくる。
『私を探さないで』は、誰かが消えた理由をはっきりさせる物語ではない。むしろ、残された側が抱え続ける後悔や罪悪感、そして「知りたい」「納得したい」という気持ちの行き場を描いた作品だ。簡単に答えが出る話ではないからこそ、見終えたあとも心に残る。誰かを思う気持ちと、相手の人生を勝手に語ってしまう危うさは、決して他人事ではないはずだ。2026年2月14日(土)からWOWOWで放送・配信される『私を探さないで』。静かな緊張感に身を委ねながら、登場人物たちの言葉と表情を、ぜひ最後まで見届けてほしい。
文=川崎龍也 写真=宮川舞子









