30年経っても色褪せない嫁姑のバトルコメディ、山口智子髙嶋政伸のドタバタドラマ「ダブル・キッチン」

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一方、髙嶋が演じる夫の忍は、都の1つ年下という設定なのだが都の良き理解者である。多少頼りない印象を受けるが、その一方で都がバリバリと仕事する姿を純粋に応援し続け、さらに都が真知子に嫌味を言われた際にいつも味方になってくれるところは好印象。

考えてみれば10年以上に渡って続いた彼の代表作である「HOTEL」シリーズでも、その役柄ゆえにどこか柔らかな印象を持つのが髙嶋の魅力。その柔らかさが、本作でもにじみ出ている。

ただ、もしも近年の髙嶋の出演作「真田丸」や「映画 暗殺教室」でのイメージが強い人から見れば、こんな面があるのかと驚くかもしれない。ぜひ、本作では90年代、髙嶋に求められていたキャラクター像を見てほしい。そして、二世帯住宅でなんとかやっていけるのは、この忍の存在が大きいように感じた。

そもそも都と忍の夫婦像は決して古典的なものではないというのも魅力であろう。「嫁入りしたなら家庭を優先しろ」と考える真知子の子とは思えないくらいに、忍に亭主関白的な側面はない。

また、都がきちんと自分の意見を言い、忍がそれを受け止める関係性もいい。さらに、都が真知子のむちゃぶりに本心を隠して受け止めようとする際には「本当に大丈夫?」と裏で根回しするような忍と「大丈夫よ!これくらい!」とはつらつと答える都のやりとりも魅力的で、今見ても時代遅れな夫婦像という感じは一切受けない。

普遍的なテーマである嫁姑問題、そして二世帯住宅での生活を描いた作品を、ぜひとも楽しんでほしい。

文=於ありさ

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