沢田研二が20代で漂わせた危うい色香!実際の事件をモチーフに3億円強奪犯の孤独と破滅を描いた「悪魔のようなあいつ」

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当時20代の沢田研二が3億円強奪犯の青年を演じた
当時20代の沢田研二が3億円強奪犯の青年を演じた

作詞家・阿久悠の原作漫画を映画監督の長谷川和彦が脚色して映像化した同作は、1968年に起き1975年に未解決のまま時効を迎えた実際の事件をモチーフにしたもの。

当時20代の沢田が演じる良からは、溢れんばかりの色香が漂う。ストーリー早々に犯人が良だと明かされるのだが、だからこそ犯人の視点からの孤独や葛藤が繊細に描かれているのが同作の見どころだ。女性が寄り付いてきてもどこか曇った表情を浮かべる良は、金目当ての輩に付き纏われたり、執念深い刑事の捜査で徐々に追い詰められたりと決して楽ではない状況に置かれているのだが、どこか陰のあるその佇まいからは、退廃的な美しさすら感じられる。良の寂しさや恐れを緻密に表現する沢田の表情には、胸が締め付けられるものがある。

ストーリーが進むにつれて徐々に彼の生い立ちや家族の話も明かされていき、良がただ私欲のために罪を犯したわけではなく、彼の中の歪みが彼に罪を犯させたことも描かれていく。そして、病が進行するにつれて良は自身の死期を意識し、心までをも蝕まれてしまうのだ。さまざまな要因で青年の心がすり減り、破滅していくさまが、痛いほどにリアルに映し出される。

1975年の作品だけあって、少し過激な描写も交えながら、3億円を奪った青年が時効を迎えるまでの日々と心境を緻密につづる本作。劇中では高級クラブの歌手という役どころもあって、沢田は歌声も披露している。良の危うい魅力を体現した、若かりし頃の沢田の演技に注目だ。

文=HOMINIS編集部

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