自分も相手も輝かせる大泉洋の演技――映画「かくかくしかじか」で見せた極上のエンターテインメント

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大泉洋が心に響く演技でスパルタ絵画教師を体現する
大泉洋が心に響く演技でスパルタ絵画教師を体現する

©東村アキコ/集英社 ©2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会

大泉洋はつくづく不思議な男である。なぜあんなにも人を魅了するのか。なぜあんなにも見入ってしまうのか。なぜあんなにも彼の演じる役が、愛おしく、輝いて見えるのか。

東村アキコの自伝コミックを実写化した映画「かくかくしかじか」で、大泉が演じた日高健三もそうだ。竹刀を片手に生徒を追い詰める"スパルタ絵画教師"の日高は、一歩間違えれば嫌悪感を抱いてもおかしくないキャラクターである。だが、「大泉洋」という血が通った瞬間に温かみを感じる。圧倒的な存在感を持って、私たちの脳裏に"日高先生"を宿らせるのだ。>

漫画家になる夢を持つぐうたら高校生の林明子(永野芽郁)は、箔をつけるために美大受験を決意し、絵画教室に通い始める。そこで先生をやっていたのが日高だった。日高はとにかく高圧的。竹刀を手に「下手くそ!」と罵(ののし)るだけでなく、口を開けば「描け!描け!描け!」と怒鳴る。

時に反発していた明子だったが、厳しい指導に耐え、見事美大に合格。しかし「漫画家になりたい」という夢は日高に言えずにいた......という物語だ。

明子視点から日高を見ると、暴力的だし、描くことを強要するし、もしかしたら「会うのもイヤ!」と思っていたのかもしれない。そんな彼女の割り切れない想いには、観客も深く共感する。

だが、本作を観終えたあと、また日高に会いたくなる。彼の胸の奥にある「本当の気持ち」に触れると、愛さずにはいられないのだ。だからこそ「日高先生を演じたのが大泉洋でよかった」。つくづくそう思わされる。

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