©東村アキコ/集英社 ©2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会
大泉の存在は共演者にも影響を与える。日高の魅力を底上げするだけでなく、永野芽郁演じる明子との小気味よいやりとりや、鈴木仁演じるヤンキーの「今ちゃん」とぶつかり合う場面など、笑いと涙の物語を立体的に立ち上げてみせる。
そう。彼は自分だけが輝くのではない。絶妙な間とリアクションで相手の感情を包み込むように受け止め、その魅力を何倍にも引き出す。そして、目の前の俳優と化学反応を起こすことで、シーン全体の...いや、作品全体の熱量を爆発的に高めていく。「大泉洋」という確かな軸があることで、相手もさらに輝くのだ。
©東村アキコ/集英社 ©2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会
彼の影響は観客にも及ぶ。いつの間にか心をノックされた私たちは、大泉が表現する物語の世界へと引き込まれていく。ひとたび心の扉を開ければ、あとは彼に身をゆだねるだけ。その没頭できる心地よい時間こそが、大泉洋という男が生み出す極上のエンターテインメントなのである。
映画「かくかくしかじか」は、恩師との出会いと別れの9年間をただ外側から眺めるだけではない。気づけば私たちも日高の生徒になって共に笑い、共に泣く。そうして、明子や日高の人生ごと愛してしまう"奇跡的体験"をもたらしてくれる作品なのだ。
文=浜瀬将樹











