今や日本映画を支える女優4人が揃い踏み!綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すずの"四姉妹"を描いた映画「海街diary」

俳優

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの息の合った四姉妹の演技が見られる映画「海街diary」
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの息の合った四姉妹の演技が見られる映画「海街diary」

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

しっかり者の長女・幸を演じた綾瀬は、妹たちを支え、家事も仕事もそつなくこなす姿の裏で、不倫関係にある恋人との間で揺れ動く一人の女性としての弱さも同時ににじませている。すずを家族として迎え入れる決断を下す場面での柔らかな眼差しに、知らず知らずのうちに"母親役"を背負ってきた幸の献身と孤独の両方が滲み出ている。物語の終盤、すずに向ける不器用な優しさには、姉という役割を超えた綾瀬ならではの包容力が宿っているようにも見えた。

自由奔放な次女・佳乃を演じた長澤は、姉に反発しながらも根は誰より家族思いという、複雑な感情を軽やかに演じ分けている。金遣いの荒さや恋愛にだらしない一面をコミカルに見せつつ、すずに対しては物おじせず素直に懐いていく様子も愛らしい。姉妹喧嘩の場面で見せる感情的な爆発力と、要所で覗かせる家族への不器用な愛情との落差が、長澤の演技に厚みを与え、物語に人間味を添えている。

マイペースな三女・千佳を演じた夏帆は、本作で第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞している。スポーツ用品店で働きながら、姉たちのやり取りを飄々と受け流す独特の間合いが持ち味だが、時折見せる素直な優しさと、天然な物言いで場を和ませるユーモアが、四姉妹の関係に絶妙なバランスを生み出している。個性の濃い姉2人の間で緩衝材のような存在感を放つ千佳の造形は、夏帆のとぼけた芝居があってこそ成立している部分だろう。

四女・すずを演じたのは、本作が映画初主演となった当時10代の広瀬すず。あまりに原作のキャラクターと顔立ちが似ていることに、共演した3人が驚いたという逸話が残るほど、すずという役にぴたりとはまった配役だった。サッカー部の男子部員たちに慕われながらも、家族への複雑な想いをふとした瞬間に覗かせるすずの陰影を、広瀬は演技と地続きの透明感で体現してみせた。この起用が、その後の広瀬すずというキャリアの原点になったことは言うまでもない。

綾瀬はるかは是枝監督と10年越しに再びタッグを組んで「箱の中の羊」でカンヌに凱旋し、長澤まさみは「ドールハウス」で第49回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、夏帆は第50回エランドール賞を受賞するなど、それぞれの道でキャリアを重ねてきた4人。広瀬すずも10月には主演作「汝、星のごとく」の公開を控えている。あの夏、鎌倉の一軒家から始まった四姉妹の物語が、それぞれの女優人生にとってどんな意味を持つ一本だったのか。この機会に、改めて見届けていただきたい。

文=川崎龍也

この記事の全ての画像を見る
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2
Person

関連人物