【タカラヅカ】花組・明日海りお主演 『エリザベート-愛と死の輪舞-』の魅力に迫る!

大人気ミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞-』のタカラヅカ・スカイ・ステージでの6カ月連続放送が、7月より始まっている。高画質での一挙放送で、全11本のうち5本はTV初放送だ。

1996年2月に雪組で初演。全編がほぼ歌のみでつづられる重厚な作風はそれまでの宝塚にはないもので、いちやく旋風を巻き起こした。以来、各組で計10回の再演を重ね、『ベルサイユのばら』と並ぶタカラヅカの代表作のひとつとなった。2000年からは東宝ミュージカルでも「男女混合版」が上演され、今や日本で最も知られるミュージカルのひとつとなっている。
 
もともとは1992年にウィーンで初演された、ハプスブルク帝国最後の皇妃エリザベートを描いた作品。南ドイツ、バイエルンの自然の中でのびのびと育ったエリザベートはオーストリア・ハプスブルク帝国皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められ皇妃となるが、しきたりに縛られた宮廷での生活に馴染めない。孤独なエリザベートの前に事あるごとに立ち現れ、影のように付きまとうのが死の神トートであった。

タカラヅカ版『エリザベート-愛と死の輪舞-』は、もとのウィーン版がタカラヅカらしく改変されているという点に特徴がある。ウィーン版はタイトルロールのエリザベートが主人公であり、彼女の生涯を描いた作品だが、タカラヅカ版は死の神トートを主人公に据え、エリザベートとトートとの愛憎の物語となっている。

しかし、『ベルサイユのばら』が、その時々の組メンバーの構成により脚本が大きく変わるのとは対照的に、『エリザベート-愛と死の輪舞-』はタカラヅカ版としての脚本・演出は基本的に変わらない。したがって、再演のたびに主な役柄を各組のキャストがどう見せるかが注目ポイントとなる。
 
歴代のトート役者は、髪型やメイクなどの外見から、内面の表現に至るまで、それぞれの個性が最大限生きるよう工夫をこらしてきた。

『エリザベート-愛と死の輪舞-』('14年花組・宝塚)より

脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ 音楽・編曲/シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会 

潤色・演出/小池 修一郎 (C)宝塚歌劇団  (C)宝塚クリエイティブアーツ

8月に放映される2014年花組バージョンでトートを演じているのは、今のタカラヅカで絶大な人気を誇りながらも、この秋に卒業を控える花組トップスターの明日海りおだ。明日海は「黄泉の帝王」ならぬ「黄泉のプリンス」とでもいうべき神秘性と少年性を称えた、まさに明日海にしかできないトート像を創り上げてみせた。

この他のキャストにも現在各組で活躍中のスターが顔をそろえている。ルイジ・ルキーニ役は現・雪組のトップスター望海風斗が演じ、狂気のテロリストと作品の狂言回し役との間を自在に行き来してみせる。

また、皇太子ルドルフは現在宙組で活躍中の芹香斗亜と、花組で次期トップスターとなる柚香光が役替わりで演じる。芹香は『オーシャンズ11』のライナス役で、柚香は『花より男子』の道明寺司役でそれぞれ大好評を博したばかりのスターだ。8月は、そんな2人の役替わりバージョンが両方見られるのも嬉しい。

現在、東宝版『エリザベート』が帝国劇場にて絶賛上演中。東宝版はウィーン版に近く、エリザベートの生き様もタカラヅカ版より現実的な目線で描かれている。タカラヅカ版と台詞や見せ方が違っていたり、タカラヅカ版にはない場面もいくつかある。

注目したいのはラストシーンの演出と歌詞の違いだ。東宝版はトートがエリザベートの命を我が物にしたところで幕となるが、タカラヅカ版はトートとエリザベートが永遠の愛を誓い合いながら昇天していく。夢々しいラストシーンは、タカラヅカならではのものだ。

ウィーン版に近く歴史劇の色彩が強い東宝版と、ファンタジックな恋愛劇のタカラヅカ版。この機会に見比べてみるのも興味深い。この夏はエリザベートの世界にどっぷりはまってみてはいかがだろうか。
 
文=中本千晶

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放送情報

『エリザベート-愛と死の輪舞-』('14年花組・宝塚)
放送日時:2019年8月4日(日)21:00~
『エリザベート-愛と死の輪舞-』('14年花組・宝塚)
放送日時:2019年8月18日(日)21:00~
チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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