「PSYCHO-PASS サイコパス」は、人間のあらゆる心理状態や性格傾向を数値化し、職業適性や犯罪傾向を浮き彫りにする"シビュラシステム"によって、治安が保たれている近未来を描いたオリジナルアニメ。この10月からはテレビアニメ第3期の放送も予定されている大人気シリーズだ。今回、2019年4月に上演された『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice』が、10月6日(日)にアニマックスにてTV初放送となる。
これはアニメで中心となった公安局刑事課一係ではなく、三係のオリジナルキャラクターたちの活躍を描いた完全オリジナルストーリー。しかし、テレビアニメ第1期や劇場版で総監督を務めた本広克行が演出を手がけ、シナリオはアニメで脚本を担当した深見真の書き下ろしとあって、原作ファンも満足の内容に仕上がっている。
公安局刑事課三係に所属する監視官の九泉晴人と嘉納火炉は、執行官たちと共に二係から引き継いだ連続殺人事件の捜査をすることに。それは、細かく切断された遺体の一つひとつにナンバリングがされているという奇妙な事件だった。しかも、遺体は4か所で派手に飾り付けられており、どうやって犯人が街頭スキャナに引っかからず遺棄できたのかも謎に包まれている。
被害者の身元から、シビュラシステムに関連する"中国語の部屋"と名付けられた装置にたどり着いた三係。そんな矢先、シビュラシステムを否定し、人間の自由と尊厳を主張する武力闘争組織"ヒューマニスト"が、車で切断した遺体をバラまくという事件が発生。さらに九泉と嘉納は、公安局内に"ヒューマニスト"と繋がっている裏切り者がいることを知らされる。
主人公の九泉晴人を演じるのは、舞台『刀剣乱舞』の三日月宗近役などで知られ、2.5次元舞台において絶大な支持を受ける鈴木拡樹。本作では、シビュラシステムを盲目的に信じ、ニコリともせずに職務を遂行する監視官という役どころだ。そんな九泉が残酷な真実に触れたときの痛々しい姿は、観ているこちらの胸がちぎれそうになるほど、胸に迫るものがある。大人数を相手にした立ち回りなど、キレのあるアクションシーンにも注目だ。
もう1人の監視官・嘉納火炉は、舞台『刀剣乱舞』や『ダイヤのA The LIVE』で人気の和田琢磨が演じている。こちらは潜在犯である執行官ともフレンドリーに接する、九泉とは対照的なキャラクターだ。
完全オリジナルストーリーでありながら、哲学者の言葉が引用されたり、常守朱や禾生局長が声のみで参加していたりと、アニメと地続きの世界であることが強く感じられる本作。おなじみのドミネーターももちろん登場し、プロジェクションマッピングを利用して、シビュラシステムに支配された近未来の日本を、舞台上で見事に表現している。三係の物語に触れ、「人間らしさとは何か」について考えを巡らせてみてはいかがだろう。
文=中島文華
放送情報
舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice
放送日時:2019年10月6日(日)20:00~
チャンネル:アニマックス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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