新春1月19日(日)よりスタートするNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、主人公・明智光秀役を演じる長谷川博己。戦乱の世に鮮烈な印象を残し、未だ多くの謎が残されている光秀の人物像に、長谷川がどんな演技でアプローチしていくのか...。勇ましい甲冑姿に身を包み、覇気に満ちあふれた"新・光秀像"からも、胸を躍らせている歴史ファンも多いのではないだろうか。
主役の座を射止めた大河ドラマはもとより、映画やドラマ、CM...と、今ではメディアで欠かすことのできない演技派俳優となった長谷川だが、元々は文学座出身で蜷川幸雄演出の作品をはじめとした数多くの舞台に出演していた。舞台での活動をベースにしていた彼にとって転機となった作品が、鈴木京香の相手役を務めたドラマ「セカンドバージン」(2010年)だ。
"ラブストーリーの名手"大石静が脚本を手がけた「セカンドバージン」は、出版業界の敏腕プロデューサー・中村るいと、妻のいる金融庁の若手キャリア官僚・鈴木行による"不倫愛"をシリアスかつエロティックに綴ったラブストーリー。長谷川は、鈴木が演じたるいと情熱的な恋に落ちていく行の役に抜擢された。
放送当時こそ無名に近かった長谷川だが、そのモデル顔負けの高身長と抜群のスタイル、野心が見え隠れする知的な物腰が、まさにキャリア官僚のイメージ通り!すでに女優としてのキャリアを確立していた鈴木京香を相手に一歩も引けを取らない存在感と演技力で一躍脚光を浴びた。
本作は"不倫"や"略奪愛"といった刺激的なモチーフに加えて、仕事一筋に生きてきたアラフォー女性の"セカンドバージン"というセンセーショナルなテーマにもフォーカス。さらに、劇中のリアルなラブシーンも話題を呼び右肩上がりの高視聴率を記録した。
例えば、るいが行への想いを募らせる第2話で見せた長谷川と鈴木のキスは、互いに気持ちが抑えきれない様子が見て取れるエモーショナルなシーンに...。ビジネス上の関係や、"17歳差"というハードルを越えて激しく惹かれ合う2人の姿は煽情的で、視聴者の目をクギづけにした。
また第3話でるいと行が初めて結ばれるシーンでは、官能的な表情はもちろんのこと、るいの髪を慈しむように撫でる行の仕草、長く美しい行の指先をるいが甘噛みする様子など、その生々しいディテールには思わず息を飲んでしまう。
放送当時33歳だった長谷川の瑞々しい演技と体当たりのラブシーンが堪能できる「セカンドバージン」と、その続編として製作された映画『セカンドバージン』(2011年)は1月12日(日)にファミリー劇場で一挙放送される。
本作への出演を経て、連続ドラマ初主演を飾った「鈴木先生」(2011年)、社会現象を巻き起こした「家政婦のミタ」(2011年)、「MOZU」シリーズ...と話題のドラマに次々に出演。そして12年ぶりに復活を遂げた"ゴジラ"シリーズ最新作『シン・ゴジラ』(2016年)では主演を務めるなど、一気にスター俳優へと昇り詰めていった長谷川。大河ドラマ出演を前に、改めてその魅力に触れてみてほしい。
文=スズキヒロシ
放送情報
セカンドバージン
放送日時:2020年1月12日(日)11:20~(全10話一挙放送)
映画『セカンドバージン』
放送日時:2020年1月12日(日)21:00~
チャンネル:ファミリー劇場
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