俳優や音楽家、文筆家などさまざまな活動で自らを表現している星野源。一躍ブレイクを遂げた2016年放送の大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)では、津崎平匡役で森山みくり(新垣結衣)とのもどかしいすれ違いで視聴者をヤキモキさせる一方で、エンディングで星野が歌う主題歌「恋」に合せて出演者が踊る"恋ダンス"が社会現象を巻き起こしたのは記憶に新しい。
そんな星野にとって今年はアルバム『ばかのうた』でソロデビューしてから10周年となる節目の年。4月にインスタグラム上で「うちで踊ろう」を発表すると、6月には最新曲「折り合い」をリリース。また、10年前に初のソロライブを行った7月12日には、当時のライブ会場・渋谷クラブクアトロで収録した一夜限りのスペシャルステージ「Gen Hoshino's 10th Anniversary Concert "Gratitude"」の配信ライブを公開し、ファンを喜ばせた。
一方で俳優としても、綾野剛との2年ぶりの共演が実現した「MIU404」(TBS系)が全話で平均視聴率10%超えのスマッシュヒットを記録。さらに、10月30日には小栗旬とのW主演となる『罪の声』の公開が予定されている。
その前にあらためて見直してほしいのが、10月2日の映画・チャンネルNECOで放送される彼の映画初主演作『箱入り息子の恋』だ。
近年はクールな役も多い星野だが、本作で演じているのは"年齢=彼女いない歴"の、さえない35歳の天雫健太郎。唯一の友達がカエルで、貯金だけが趣味という彼に、両親が参加した代理見合いをきっかけに今井家の美しい一人娘・奈穂子(夏帆)とお見合いのチャンスがやってくる。お見合い当日、奈穂子が盲目であることを知り戸惑う両親をよそに、健太郎が生まれてはじめての恋に落ちるというのが物語のプロローグになっている。
その後、健太郎は35歳にして訪れた初恋に全力で突っ走っていくわけだが、そこで見せる星野の演技が実に秀逸。それまで閉じこもっていた自分の殻を破り、恋のために走って、転がって、絶叫する健太郎からはこの恋にかける本気度が痛いほど伝わってきて、応援せずにはいられないほど感情移入してしまう。
2人の恋は無事にハッピーエンドを迎えるのか。それともバッドエンドで終わるのか。気になるその結末はテレビの前でぜひ見届けてほしい。
文=安藤康之
放送情報
箱入り息子の恋
放送日時:2020年10月2日(金)7:25~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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