昨年9月期に放送され、正反対の価値観を持つ男女を三浦春馬と松岡茉優が演じた話題のドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」。おカネを正しく使うことにこだわり、モノにも恋にも一途な愛情を持つ"清貧女子"の九鬼玲子(松岡)と、彼女が勤めるおもちゃ会社の御曹司で、お金にルーズな"浪費男子"の猿渡慶太(三浦)――そんな金銭感覚が全く異なる2人の恋愛を綴ったロマンチックコメディだ。
金遣いの荒さから父親の怒りを買い、自宅マンションを売られてしまった慶太が、玲子が暮らす鎌倉の実家に転がり込んできたことをきっかけに、次第に距離を詰めていく...。時に傷つき、傷つけながら、ゆっくりと心を通わせる2人の"じれったさ"が共感を呼んだコミカルな恋模様が、全4話という形で展開する。
松岡扮する玲子は、お金の使い方に関して1円単位まで綿密に計画を立てる細かすぎる性格の持ち主。少し早口な喋り方やピンと背筋を伸ばして電卓を叩く姿など、お金のことになると神経質なキャラクターをコミカルに演じている。
一見、人間味のない堅物かと思いきや、15年もの間、初恋の相手・早乙女(三浦翔平)を想い続けており、恋愛となるとちぐはぐな言動をしてしまうところが玲子の可愛らしさ。普段の清貧さはどこへやら、大量のプレゼントを貢いだり、15年越しの初デートに浮かれたり...。そうして変な駆け引きをせずに、喜怒哀楽の感情をストレートに表現する玲子の率直な物言いが、"広く浅く"がモットーだった慶太の心の壁をこじあけていく。
一方の慶太は、お金のルーズな使い方にも表れているように、"予定は未定"といったスタンスの楽天家。三浦は、いい意味で嫌味のない軽口やキラキラとした笑顔、絶妙なヘラヘラ感を全身に漂わせて、無邪気な人懐っこさをチャーミングに体現している。
また、人の心に土足で上がり込んでくるような図太い人物のようでいて、その実、玲子の純情すぎる初恋を見守ったり、泣きじゃくる怜子に寄り添ったり...と、温かい心の持ち主でもある。他人の気持ちに一歩踏み込むときに見せる落ち着いた物腰は、そっと包み込むような優しさに溢れていて、普段の軽薄なノリとのギャップがまた魅力的だった。そんな慶太像は、これまで三浦が演じてきた、どのキャラクターのイメージとも異なり、人間味にあふれた新鮮さを感じさせた。
そんな本作が6月6日(日)にTBSチャンネル1にて一挙放送される。水と油のような性格ゆえに絶えずぶつかり合っている2人だが、漫才のようなやりとりが徐々に男女の関係に変わっていく、じれったさ満載の過程は何とも微笑ましい...。コミカルな作品でありながら、物語の最後に込められた心温まるメッセージも含めて、心の機微をしっかりと捉えた珠玉の恋愛ドラマだと改めて実感させられた。
文=HOMINIS編集部
放送情報
おカネの切れ目が恋のはじまり
放送日時:2021年6月6日(日)12:30~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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