高橋一生の芝居にほれぼれ...蒼井優と夫婦役を演じた映画『スパイの妻』

『スパイの妻<劇場版>』より
『スパイの妻<劇場版>』より

テレビドラマ、映画、舞台、CMなど幅広いジャンルで活躍中の俳優・高橋一生。今年12月に荒木飛呂彦の人気コミックを実写化した「岸辺露伴は動かない」の新エピソードが放送されるのをはじめ、2022年1月には岸井ゆきのとのダブル主演となるドラマ「恋せぬふたり」が放送されるなど、活躍の場は広がり続けている。そんな彼が「撮影中はとても幸福な時間を過ごした」「映画的な時間を過ごせる場所だった」と振り返る映画がWOWOWで放送される映画『スパイの妻<劇場版>』である。

夫婦役を演じた蒼井優と高橋一生
夫婦役を演じた蒼井優と高橋一生

(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

鬼才・黒沢清が監督を務めた本作は、ロケ地、衣装、美術、セリフまわしなどにも独自のこだわりを見せ、昨年5月に開催された第77回ベネチア国際映画祭では、黒沢監督が銀獅子賞(監督賞)を獲得。日本人としては、北野武監督の『座頭市』以来、17年ぶりの快挙となった。審査員長を務めた女優のケイト・ブランシェットもこの作品が「銀獅子賞にふさわしいことは明らか」と絶賛の声を寄せるなど、高い評価を受けた。共同脚本に『ハッピーアワー』や『ドライブ・マイ・カー』など国内外で高い評価を受ける俊英・濱口竜介が参加していることも話題となった。

撮影はNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」のオープンセットや、神戸の旧グッゲンハイム邸などで行われ、数々の話題作を生み出した黒沢組の精鋭スタッフと、確かな技術力をほこるNHKの技術スタッフがタッグを組んで、精細かつ神秘的な映像美を生み出した。

舞台は太平洋戦争開幕前夜の日本。愛する夫が思いも寄らぬスパイ容疑にかけられ、妻も苦悩して大きな試練に立たされる中、2人が果敢に挑んだ大胆不敵な計画を繰り出すさまを描き出す。蒼井優と高橋は、2020年に公開された映画『ロマンスドール』でも夫婦を演じており、その信頼関係、安心感は絶大なものがあるようだ。

(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

高橋が演じるのは、神戸で貿易会社を営む優作。赴任地となった満州で、恐ろしい国家機密を偶然知るも、自身の正義を貫くため暗躍するという役柄となる。スリーピースのスーツに身を包み、正義を遂行するためには手段を選ばない優作は、どこか捉えどころが無く、ミステリアスな部分もあるが、それでいて妻の聡子を包み込むような優しさも感じられる。

濱口竜介、野原位が、黒沢監督とともに作り出した脚本は、会話劇を得意とする濱口たちらしく、長ゼリフが多く、かつ口語体を基調としたクラシカルなセリフまわしが印象的。そんな脚本を前にして黒沢監督自身、難しい作品になると感じたというが、いざ撮影に入り、蒼井、高橋という役者陣の芝居を目の当たりにすると、「うまい役者が演じると、長セリフもこんなにうまくいくのか」と舌を巻くような思いだったという。

もともと周囲に「30代後半でうまい役者は?」と問いかけると、高橋一生の名前が返ってくることが多かったことから、高橋一生という役者に興味を持っていたという黒沢監督。そんな彼の芝居は劇中のセリフのように「お見事です!」と言いたくなるほどにほれぼれする。

文=壬生智裕

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放送情報

スパイの妻<劇場版>
放送日時:2021年12月12日(日)21:00~ほか
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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