くりぃむしちゅー・有田哲平がドラマ初主演!本田翼の体当たりの演技も魅力のドラマ「わにとかげぎす」

(C)古谷実/講談社

まず富岡の人生を大きく狂わせてしまうホームレスのオヤジ(光石研)が強烈で、新人警備員として富岡の前に現れ、富岡をある事件に巻き込む花林(賀来賢人)と雨川(吉村界人)、さらにヤクザ者の東金(村上淳)とその愛人・華(コムアイ)といった曲者ぞろいの登場人物が脇を固める。登場人物のクセが強すぎるところは、まさに古谷ワールドの真骨頂といえるが、それぞれが適役という印象でキャスティングが絶妙だった。特に、当時音楽ユニットの水曜日のカンパネラでボーカルを務めていたコムアイの起用は成功だったと思われる。とにかく変な人たちが大勢登場するドラマだが、視聴者はその個性と独特な世界観に釘付けになってしまうことだろう。

有田は、本作のオファーを受けた際に「なぜ僕が主演なんだろうとは思ったのですが、悩んでいる間に相手の気が変わるかもしれないんで、やりますよと言ってしまった(笑)」と芸人らしいコメントで笑わせたが、続けて「原作は人間の深い部分をついたシリアスな人間ドラマだと思う。笑える部分も多いけど、古谷さんの作品の重みはハンパなくて責任を感じますね」と真面目に語っていた。実際は、主演という大役の責任を一身に受けて真剣に撮影に望んでいたことが画面から伝わってくる。近年のバラエティでの活躍ぶりはもはや説明不要だろうが、本作では俳優としてのポテンシャルを大いに発揮してくれたと言える。

本田は、「有田さんが主演と聞いて驚くと同時に"面白そう"と思いました。見る人が孤独に怯えて自分の人生を変えたいと葛藤しながら生きる富岡さんにどこか共感して、応援したくなるような作品だと思う」と語っていた。「羽田梓の役は感覚が掴みづらく、役作りが難しい」と言いながらも、普段の現場とは異なる空気の作品に没頭し、楽しんで演じていた様子がうかがえる。

(C)古谷実/講談社

プロデューサーの峠田浩は、有田の起用理由について「純粋で真面目だけど、不器用で愛らしい富岡という男を演じられるのは有田さんしかいないと思った。彼が隠し持つ少年のような無邪気さや純粋さがこの役にぴったりだと感じたから」だと語っている。

優しいが故に不器用で、周りに振り回されるが毎日を必死に生きている富岡の姿は、一見格好悪いようで、実は格好良い。見るほどに有田が演じる富岡の姿が愛おしくなるという視聴者も多いはずだ。深夜枠だったため、本放送時はそれほど大きな話題にはならなかったが、あらためて見るととても魅力的なドラマだったと気づかされる。そんな「わにとかげぎす」が、TBSチャンネル1で再び放送されることになった。本放送を見逃していた人には、この機会にぜひ楽しんでほしい。

文=渡辺敏樹

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放送情報

わにとかげぎす
放送日時:2022年9月11日(日)10:00~
チャンネル:TBSチャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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