――島でのロケはいかがでしたか?
「地元の方も出演されていて、島民の方々の空気感に引っ張っていってもらっているように感じる瞬間もあって、島民の皆さんと作品の強い繋がりを感じました。ただ、すごく暑い中での撮影という過酷な環境に加えて、船の上だったり土砂降りのシーンだったりとシチュエーションも過酷で、大変な撮影でした。自然が相手なので"ひたすら待つ"という忍耐力の勝負でしたね。待ち時間はみんな寝ていて、私は『先輩方の前だから、しゃんとしてなきゃ』と思っていたんですけど、先輩方が『寝れる時に寝ときな』ってアドバイスしてくださって、初めて先輩方の前でベンチに倒れ掛かって寝てました(笑)」
――吉岡さんの印象は?
「吉岡さんは、お芝居に入られると目の色が変わるんです。見ていて『あっ。今、コトー先生だ』って分かるので、それには鳥肌が立つ感覚でした。初めて手術のシーンを一緒にやらせていただいた時に、(コトーの)『手術を始めます』という一言がなかなか言えない瞬間があったんです。あとで吉岡さんが『ふと自分の姿を鏡で見た時に、(手術が)できるのだろうかって思ってしまって、不安と重圧が一気にのしかかってきてしまった』って仰っていて...。私は新人だし何をすることもできないけど、吉岡さんのそういう姿を見て、『どれだけこの作品の渦巻くエネルギーが大きいのか』『皆さんがどれだけのものを背負いながらやってらっしゃるのか』ということを感じさせられて、『那美として少しでもサポートできることがあれば動きたい!』と強く思いました」
――同じ新キャストとして参加された高橋さんの印象は?
「同じ新キャストとして緊張を共有できる相手がいてとても心強かったです。ご本人としては緊張して悩まれていたみたいなんですけど、いつも先輩方から可愛がられていて高橋さんがいらっしゃるといつも現場が和みました。(高橋が演じる)判斗先生はちょっと人の心に土足で入るようなキャラクターですけど、実際の高橋さんはすごく丁寧な方で。ギャップに悩みながら演じる姿に役者魂を感じていました」
――物語では、コトー先生をはじめとする島民たちがピンチに陥りますが、ご自身の"ピンチエピソード"を教えてください。
「小学校の低学年くらいまでお留守番がすっごく苦手で、一人ぼっちがとにかく嫌だったんです。ある時、お母さんが私の寝ている間に買い物に出掛けて、私が1人の時に起きちゃったんです。もう怖くて怖くて家から出て、同じマンション内のお宅を全然知らないのに片っ端からノックしていって、何軒目かで男の子が2人くらいいるお宅のお母さんが開けてくださって『どうしたの?』って聞いてくれて。『お母さんがいなくなったの』って言ったら家に入れてくれて、ケーキまでいただいちゃって...(笑)。それで、のんきにハッピーに過ごしていたら、後から事情を聞きつけたお母さんが迎えに来て、『何やってんの!逆に危ないでしょ!!』って言われました。本当に(入れてくれたお宅が)良い人で良かったです」
映画情報
『Dr.コトー診療所』
2022年12月16日(金)全国東宝系にてロードショー
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