落合博満が語る新CMのWEB用動画も必見！「セ・リーグ篇」

堺雅人と夏目三久の質問にプロ野球解説者・落合博満が答える、「スカパー！プロ野球セット」の新テレビCM「交流戦」篇が現在オンエアされている。

スカパー！の公式サイトでは、CMでは伝えきれなかった落合のコメントを球団別の動画として公開してきたが、このWEB用動画にも新作が登場。球界のレジェンド・落合が、各球団の突っ込んだところまで語る解説は必見だ。

今回は、セ・リーグ6球団に対する珠玉のコメントを抜粋して紹介する。先発投手の完投や守備の名手がチームに与える影響、外国人選手の機能させ方まで、"オレ流"解説が冴え渡る！

広島東洋カープには、"守備の要"菊池涼介選手がいます。菊池選手のような守備のうまい選手というのは、チームにどんな影響を与えますか。
「下手なやつが菊池を見て、『これだけ守れるのにこんなに練習しているんだ。じゃあ、俺らももっとやらなきゃいけない』と感じる、その相乗効果なんだろうと思います。あとは、なにかあったらここに打たせればアウトにしてくれる。そういうポジションが一つでも二つでもあると、ピッチャーは精神的に楽でより良い配球ができるんです。だから、監督時代、エラーがあったときによく投手に言っていたのは、『その配球じゃなくて、一番うまい選手の所に打たせてアウトを取ってもらえばいいじゃない。下手な所に打たせたおまえが悪いんだ』と。納得していましたよ(笑)」

阪神タイガースのウィリン・ロサリオ選手、不動の4番として活躍するには何が必要とお考えですか。
「日本の野球にもうちょっと慣れることじゃないですか。だからといって、これから練習の中で何かをしなきゃいけないっていうような問題でもない。まず慣れるのが一番だと思う。あとは、新聞、テレビを見ないことですね。『4番が打たないから、ロサリオが打たないから......』っていう情報は頭の中に入れないこと。そういう情報が入ると、思い悩む可能性がなくはないので、通訳にもそういう情報は通訳させないとか、球団がそういうサポートをしてやる必要もあるのかなと思います」

今年の横浜DeNAベイスターズ、大和選手の加入は大きかったと見えますが？
「大きいと思います。ファーストを守らすことはないだろうけど、内野ならどこでも守れる。何か有事の際には大和一人で全部補ってくれる。こういう重宝な選手というのは必ずチームの中にいなきゃいけないんです。そういう選手をFAで入れた。FAは大物とか、ホームランを打てるとか、勝てるピッチャーに目が行きがちだけれど、一番いい補強をしたんじゃないかと思います。じつを言うと、(中日の)監督をやっている時とGMをやっている時、阪神さんと話して(トレードで)、『大和くれ、大和くれ』とずっと言っていたんです。ところが話はまとまらなかった。横浜はいい補強をしたと思います」

読売ジャイアンツ、菅野智之投手が好調です。完封や完投で勝利をもたらすというのは、チームにどんな影響がありますか。
「(リリーフ陣の)みんなを休ませられるということです。だからといって、(完投試合でも)中継ぎ投手がブルペンで一回も練習しないなんてことはありません。だから、中5日、中6日というローテーションで先発するのであれば、チームの主力投手はどうやって完投するかということを考えてほしい。この時期に菅野が完投したということは(5月28日時点で4完投。うち2回が完封)、勝ち星とか防御率は別問題として、去年より体調はいいと考えていいんじゃないですか」

落合さんが監督時代にドラフトでとった、中日ドラゴンズの福田永将選手に期待するファンはとても多いのですが？
「期待していいと思います。福田がこれからやるべきことはたった一つなんです。福田のあのバッティングをアドバイスして作り上げてくれたのは土井正博コーチなんで、土井さんには練習しているとき、ゲーム中、ゲームが終わってから、『きょうの状態はどうでしたか？』ということを毎日聞きに行かなきゃいけない。そうしたら、好不調の波はある程度解消されると思う。それと、自分がどのボールを打ったらホームランになる確率が上がるのかというものを、早く覚えてもらいたい。調子が悪くなると、(打てないボールにまで)飛び付いていってしまうのは、それがまだ分かっていないから。福田がもっと良くなる一番の近道は、自分の間合いで、自分のフォームでちゃんとバットを振れるように、もっと土井さんにべったり教えてもらうことだろうと思います」

東京ヤクルトスワローズ、4番打者が青木宣親選手というときがありました。どう思われますか？
「それは監督が考えることなので、周りがとやかく言うことではないけれど、4番イコールすべてのランナーを帰してくれる、このゲームの勝ち負けを左右するという考えを持たないのであれば、青木の4番もいいんだろうと思います。ただし、じゃあ、5番は誰に打たすんだという、前後の兼ね合いは出てきますね。外から見る限りでは、やっぱり4番はバレンティンになってしまうのかなと思います」

文＝長昌之　撮影＝宮川朋久

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