今秋で放送7周年を迎えたバラエティ「BAZOOKA!!!」(BSスカパー!)では、11月12日(月)21:00より、「忘れてたまるか 山本"KID"徳郁」と題し、今年9月18日に逝去した格闘家、山本"KID"徳郁の追悼特集を放送する。KIDの実姉で格闘家の山本美憂も参加し、10月下旬に行われた番組収録の模様を速報レポートする。
がんで闘病していた総合格闘家、山本"KID"徳郁が41歳という若さで亡くなって早くもひと月余。11月4日にお別れ会、そして49日を終えたこのタイミングで、スタッフは追悼特番の放送に踏み切った。KIDは「BAZOOKA!!!」に過去2回出演、その男気溢れる度量と優しさでキャスト・スタッフを魅了し、縁の深い番組だったからだ。「忘れてたまるか-」というタイトルからも、その思いが伝わってくるようだ。
冒頭、KIDの笑顔が満載のVTRが流れると、小籔千豊、やべきょうすけのMC2人がしめやかに番組をスタート。実姉・山本美憂を迎え入れると、美憂は「ちゃんと(弟の死を)受け入れられていないのが正直な状況なので、悲しい時間がまだ少ないんですよ」と、早すぎる弟の死にいまだ実感がわかない心境を率直にコメントした。
番組では、衝撃だった2001年の総合格闘技デビュー戦から、「開始4秒での失神KO」が伝説となった2006年HERO'Sでの対宮田和幸戦など、KIDが魅せた数々の輝かしい戦歴、クールなマイクパフォーマンスを振り返ると同時に、2004・2015年と2度の対戦を果たした魔裟斗や、宮田和幸、宇野薫、所英男ら対戦相手や友人、マネージャーらゆかりの人々による追悼コメントを紹介。 "神の子=KID"の異名も持つ、妥協を許さない格闘家としての面を総括する。また、美憂を交えて幼少期のエピソードや、女性や子供にとことん優しかった素顔にも肉薄。そこで、共演した際に小籔が震撼したと言う「BAZOOKA!!!」での"お宝映像"も登場。闘犬を養成する飼手に対し、愛犬家として納得がいかないKIDがかみつきスタジオをピリッとさせたときの模様を振り返る。
さらにKIDと親交の深かったミュージシャン、SHINGO★西成、SAMI-T(MIGHTY CROWN)、FIRE BALLによる追悼LIVEも行われ、KIDと音楽の関わりについても言及。KIDの人生を讃え、そして心よりその死を悼む彼らの歌声に、美憂が嗚咽をこらえるようにハンカチを口に当て涙する場面も。
小籔は「お会いした回数は少なかったけど、改めて好きになった。もっとお話したかった!」と語り、格闘技ファンを自認するやべは「この先似たような選手は出てこないと思う。自分の言葉で思ったことを伝えられる人」と口々にその死を惜しんだ。最後に美憂が「家族として皆さんがこうして思ってくれていることがうれしい。感謝です」と笑顔で締めくくり、しめやかでありながらやはり「BAZOOKA!!!」らしく明るい追悼となった。
収録を終えて、今回ディレクターを務めた映像作家・佐藤大輔が思いを語ってくれた。
この番組が実現した経緯を教えてください。
「私にとっては古巣であるBAZOOKA!!!から『KID追悼』企画をやるべきではないか?とのお話をいただき、KRAZY BEEサイドに打診した所、『生前KIDの素顔を取り上げてくれたBAZOOKA!!!だったら是非』との嬉しい返事をいただきました。美憂さんもご出演していただける事になりました」
見どころ、番組を通して伝えたいことはどんなことでしょう。
「格闘家としても唯一無二。ストリートカルチャーのアイコンとしても唯一無二。男としても父としても親分としても唯一無二。その功績を少しでも心に留めていただきたいです。KIDが愛したミュージシャンSAMI-TとFIRE BALLのうた、ラッパーSHINGO★西成のレクイエムラップ、KIDに密着してきたディレクター黒川さんの蔵出し映像。そして、KAMINOGE編集長井上さんの追悼詩。短い時間ですがKIDバイブルとして録画保存をおすすめいたします」
最後に、番組への思いをお願いします。
「KIDは『いいじゃん、いいじゃん』が口ぐせでした。周りの人間はKIDに、いつもそう言われたかった。今回の番組もそう言われたくて、KIDに関わった有志で制作しました」
文=magbug
放送情報
BAZOOKA!!!「忘れてたまるか 山本“KID”徳郁」
放送日時:2018年11月12日(月)21:00~ ※無料放送
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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