最強のアイドル！仮面女子の川村虹花がRIZIN幕開け試合に大抜てき

昨年12月の初参戦以来、3ヵ月置きというハイペースでジュエルスの全ての大会に出場しています。アイドル活動との両立は本当に大変だと思いますが、挫折することなく続けている理由は？

「とにかく『アイドルだから』という風にナメられたくはないという思いが強いかもしれません。それに、他の選手には長くやっていたり、バックボーンがあったりという方が多いので、『私も追いつかないと』という気持ちがすごくあるんです。だから、ライブや仕事以外の空いている時間があれば練習に入るようにしています。今、私の中にあるのは『強くなっていかないと！　追いつかないと！』っていう気持ちだけなので、ムリだとか疲れたなんて言っていられないです」

アマチュアでは1戦1勝、プロでは2戦2勝の戦績ですが、とくに印象に残っている試合はありますか？

「試合を重ねるごとに練習では見えない自分の反省点も見えてくるので、どれかひとつというより１試合、1試合、全部気をつけようという気持ちで試合はしています。でも、パンチで倒した時(2018年6月9日、DEEP JEWELS20での山崎桃子戦)は嬉しかったですね。見ている方たちも、やっぱり判定よりKOのほうが盛り上がるし、気持ちがいいので、パンチが当たった時は嬉しいですよね」

パンチが当たったら嬉しい――。川村さんがその言葉を発しているのが、何となく不思議な気がします。

「たしかに！　アイドルがこんなことをフツーに言うなんて(笑)。でも、私に対して『アイドルらしくないよ』と思う方もいると思うんですけど、逆に格闘技を始めてからファンになってくれた方も多いんです。仮面女子自体が王道のアイドルではないので、またちょっと違ったファン層なのかなと思いますし、メンバー一人ひとりにもファンの系統がかなりあるのが仮面女子。その中でも私を応援してくれるファンの方は、『夢を追いかけているからこそ応援したい』と言ってくれて背中を押してくれるので、ありがたいです」

では、アイドルとして、格闘家としてのこの先の夢は？

「まず、どっちも全力で頑張っていきたいです。そして格闘技のほうでは......RIZINに出たいというのと同じくらい、またすごく大きな夢になっちゃうんですけど、いつかはベルトが巻けるような選手になりたいです。こんな大きな口を叩いたら、たぶん一般の方は『あんなこと言って！』と思うかもしれないですけど。いつまで、という期限はないですけど、いつか必ずかなえたい夢です」

榊原信行RIZIN実行委員長は、「試合を通して彼女にしか伝えられないものがあるはず」と、格闘家・川村虹花に期待しています。改めて、大晦日では見ている人にどんなことを伝えたいですか。

「世間的な印象として、『アイドルがRIZINに出るなんて』と思っている方が大半だと思うんです。大晦日の試合はそういう方々にも試合を見てもらえる、いいきっかけというか、大きな一歩だと思うので、そこでしっかり勝って、ちゃんとアイドルもできるんだなという所を見せつけたいですし、挑戦したいという気持ちがあれば、ここまで来れるんだぞというのを伝えたいなって思います」

会場のさいたまスーパーアリーナは、すでに仮面女子の単独ライブなどで経験しています。憶することなく大舞台に立てそうですね。

「アイドルとして立つには、もうどこのステージでも緊張はしないんですけど、格闘技の試合、とくに入場の前は緊張というか『どうしよう、どうしよう』という感じになってしまいます。今回は花道が長いので、また違うドキドキ感があると思いますが、試合が始まってしまえば大丈夫です。大会は朝9時のスタートで、私は1試合目なんですが、出場している選手の中で『強くなろう』という気持ちは誰にも負けないし、全力で頑張りますので、朝早いんですけど応援してもらえたら嬉しいです！

Profile
川村虹花(かわむらななか)　1995年12月26日、神奈川県生まれ。158cm、48kg、リバーサル事務新宿Me,We所属、アイドルグループ仮面女子、アリス十番、Prism(アリスプロジェクト)のメンバー。2017年12月、女子総合格闘技イベント『DEEP JEWELS 18』アマチュアルールで判定勝利。2018 年3月にプロデビュー以降、DEEP JEWELSを主戦場に2戦2敗。アイドル活動と並行しながらほぼ毎日練習に明け暮れ、大晦日のRIZIN参戦の夢をかなえた。

文＝藤村幸代　撮影＝高橋英伸　試合写真＝Photography by T.Okamoto

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