東京五輪開催まで半年を切り、出場選手が決定する4月に向けて、熾烈な"代表争い"が佳境を迎えている日本バドミントン界。そもそもオリンピック出場権は、2019年4月29日から2020年4月26日(日)までのBWFワールドツアーで獲得したポイントから算出されたランキングによって決定されるが、1ヶ国・地域につき、各種目2名・2ペアまでという制限があるため、強豪国の日本では格別に"狭き門"といえる。
12月10日、日本バドミントン協会(NBA)が、五輪を含む主要6大会の出場基準となる「2020年 日本代表選手(A代表・B代表ともに男女各12名程度)」を発表。年末年始も合宿を行い、互いに切磋琢磨している日本代表にスポットを当てた特別番組「#バドミントン」が、2月25日(火)にテレ朝チャンネル2にて放送される。
有力選手の中でも、五輪出場が確実視されているばかりか、金メダル候補の筆頭ともいえる存在が、男子シングルスの絶対王者・桃田賢斗だ。昨年8月の「世界選手権」では日本男子初の連覇を飾り、ランキング上位8選手(8組)しか出場できない大舞台「BWFワールドツアーファイナルズ2019」でも4年ぶり2度目となる優勝を達成。6月に引退した憧れのリー・チョンウェイの記録を超える国際大会"年間11勝"という偉業を成し遂げた。
1月には遠征先のマレーシアで交通事故というまさかの事態に遭遇。1月17日には、Twitterで「本日、精密検査を終えて退院することができました。(中略)またコートに戻り恩返しできるように頑張ります」とコメントしているものの、今は元気な姿での復帰を願うばかりだ。
また男子ダブルスでは、世界ランキング(1月28日付け)で4位につけている園田啓悟・嘉村健士のソノカムペアが、昨年は強さを発揮。優勝を果たしたシンガーポールオープンほか5度の準優勝など、ワールドツアーで幾度となく表彰台を経験した。12月の全日本総合選手権では、ランキング6位につける強敵の遠藤大由・渡辺勇大ペアに決勝で惜しくも敗れて悔しさを味わったソノカムペアだが、五輪で男子初のメダルをもたらすことができるのか大いに期待がかかる。
女子では、シングルスの山口茜と奥原希望がしのぎを削り合っている。山口は、昨年は最もハイグレードのインドネシアオープンや、東京五輪と同じ会場で行われたジャパンオープンを制するなど一時は世界ランキング1位にも上り詰めたが、その後は怪我の影響もあり世界選手権ではまさかの初戦敗退も経験した。しかし年末のツアーファイナルズで3位に入り、世界ランキング(1月28日付け)でも3位と、調子も上がっている。
一方、世界ランキング4位に続いているのが奥原だ。2019年は、「東京五輪を見据え、個人戦に集中したい」との思いからプロ選手として始動した勝負の年だったが、山口に破れたジャパンオープンや世界選手権など、決勝に駒を進めながらもあと一歩...という展開がよく見られた。前回のリオ五輪3位の実績を持つ奥原にとって、五輪出場だけでなく、より良い色のメダル獲得こそ悲願。3学年下となる山口とのデッドヒートの行方も含め、気の抜けない展開が続いている。
そして、最も熾烈な代表争いが行われているのが、女子ダブルスだ。五輪レースポイントランキング上位に3組がひしめき合っている状態の中で、福島由紀・廣田彩花のフクヒロペアと永原和可那・松本麻佑のナガマツペアがややリード。2年連続同じ顔合わせとなり、ナガマツペアが2連覇を達成した世界選手権をはじめ、2019年は幾度となく顔を合わせているこの2組。ワールドツアーファイナルズ準決勝、全日本選手権決勝での対戦では、どちらもナガマツペアが制している。
とはいえフクヒロペアもツアー最高峰のインドネシアオープンや福州・中国オープンなどハイレベルな大会を制しており、安定した強さを発揮。また、リオ五輪金メダリストの高橋礼華・松友美佐紀のタカマツペアも五輪出場の可能性は残っている。
気になる代表選出は、4月の最終週に発表されるランキングで決定し、東京五輪本番は、武蔵野の森総合スポーツプラザで7月25日(土)から8月3日(月)まで行われる。果たして日本のバドミントン勢がどれだけのメダルを勝ち取ることができるのか?本番が早くも楽しみだ。
文=HOMINIS編集部
放送情報
#バドミントン
放送日時:2020年2月25日(火)19:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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