世界トップレベルの選手が名を連ね、東京五輪でもメダルラッシュ間違いなしと思われた日本バドミントン勢。しかし、世界ランク1位で臨んだ男子シングルスの桃田賢斗が予選リーグで敗退。女子ダブルス世界2位の永原和可那と松本麻佑のナガマツペア、女子シングルスでは世界3位の奥原希と世界5位の山口茜もメダルを逃し、混合ダブルスの渡辺勇大&東野有紗の銅メダル一つという悔しい結果に終わった。
園田啓悟と嘉村健士のソノカムペア、代表チームのキャプテンを務めた遠藤大由といったベテランたちは代表を辞退。パリ五輪に向けた新たな課題も見つかり、日本代表は変革の時を迎えている。復活に向けた新たな船出となるのが、10月9日(土)〜17日(日)にテレ朝チャンネル2にて連日放送される「世界バドミントン国別対抗戦2021 トマス杯・ユーバー杯」だ。
2年に一度開催される国別対抗戦で、男子のトマス杯、女子のユーバー杯どちらもダブルス2試合、シングルス3試合の合計5試合の結果で争う。世界トップ16の国と地域が参加し、予選は4つのグループに分かれ、5試合すべてを行うリーグ戦を行い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントは3勝を挙げたチームの勝利となる、最強国を決定する大会だ。各チーム、世界ランキング上位の選手からの出場となり、1試合目のシングルスでエース同士が激突する、スリリングで熱い展開も大きな特徴になっている。
国・地域の誇りをかけたこの大会で前回準優勝した男子、2014年以来の優勝の鍵となってくるのがエースの桃田だ。新たに代表チームのキャプテンに任命されており、"責任"を背負うこととなるが、この変化がプラスに働くことをコーチ陣からも期待されている。五輪後初試合となった「スディルマンカップ」では復活の兆しを見せており、トマス杯での活躍も楽しみだ。
ガラッと顔ぶれが変わったダブルスの一番手となるのが、保木卓朗と小林優吾のホキコバペア。2019年の世界選手権で準優勝、2020年の全日本総合では遠藤大由・渡辺勇大ペアに敗れたものの準優勝という実績を誇り、世界で通用するポテンシャルがあるだけに今後の飛躍が待ち遠しい。
昨年優勝を果たした女子は連覇の期待がかかる。東京五輪で中国のサウスポー・何氷嬌のクロスに手を焼き、逆転負けのベスト8に終わった奥原は、「スディルマンカップ」のメンバーからコンディション不良で外れており、五輪後初試合という意味でも視線が注がれる。
また、インドの強豪プサルラ・V・シンデュに粘りながらもストレートで敗れ、同じくベスト8に終わった山口は、再始動となった「スディルマンカップ」の決勝戦で強敵・中国の東京五輪金メダリストの陳雨菲をストレートで破る活躍をみせた。今大会でもコンディションに不安が残る奥原に変わり、得意の攻撃的なプレーで女子チームを牽引していくことが求められるだろう。
ダブルスでは廣田彩花が手術のため、永原がコンディション不良のため遠征メンバーから外れており、世界のトップを争っていたフクヒロ、ナガマツ両ペアが揃わないという状況。その打開策としてこの大会限定で"フクマツペア"としてタッグを組む可能性もある。
福島由紀は身体能力を生かした広範囲の守備力が持ち味で、粘り強い守備からペースを掴み一気に畳み掛けるというスタイルで世界の強豪たちに競り勝ってきた。一方の松本は177cmの長身から放たれる威力と角度のあるスマッシュが持ち味。即席ペアとなるが、守備と攻撃とスタイルの異なる2人の融合がどんな化学反応を起こすのか、そして元のペアに還元される何かを秘めている可能性があるだけに注目だ。
10月21日(木)からはSuper750から1000に格上げされた「バドミントン ワールドツアー2021 デンマークオープン」もテレ朝チャンネル2にて放送される。国別対抗戦を経た選手たちが個人戦でどんな戦いぶりを見せてくれるのか、気持ちも新たにパリ五輪に向け歩み出したバドミントン代表の好発進を期待したい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
世界バドミントン国別対抗戦2021 トマス杯・ユーバー杯
放送日時:2021年10月9日(土)20:30~
バドミントン ワールドツアー2021 デンマークオープン
放送日時:2021年10月21日(木)20:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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