12月はGP(グランプリ)シリーズファイナル、全日本フィギュア選手権、翌年2月には冬季北京五輪が開催されるなど、今季も必見のフィギュアスケート。若手台頭が著しい女子フィギュア界にフォーカスし、八木沼純子さんに注目選手とともにそのプレースタイルを解説してもらった。
八木沼純子さんは、紀平梨花選手を筆頭に、宮原知子選手、坂本花織選手、三原舞依選手、樋口新葉選手の5人を中心に今季は展開されると踏んでいる。
「前回の全日本フィギュアスケート選手権を制した紀平選手。コロナ禍で調整が難しい中、素晴らしい演技を見せました。強みは同じ轍を踏まず、課題点を必ず次戦までに克服する調整力。7月に痛めた右足首を全日本までに回復できるかがポイントですが、昨季も全日本に照準を合わせていますし、GPシリーズの欠場をプラスにして調整してくると思います。一方、宮原選手は演技内容も良く、心も身体も整ってきている点に期待が持てます。曲の細部にまで行き届いた繊細なタッチの表現、小さな体が2倍にも3倍にも大きく見える演技が魅力です。今季はトリプルアクセルを果敢に入れた構成で勝負しています」
今年のGPシリーズで躍動する坂本、三原、樋口の3選手も調子が上がってきているという。
「坂本選手は、フリーの演技に悩んでいましたが、アメリカ大会では4位と、手応えをつかんで好調。トリプルアクセルの完成度を高められるかもポイントです。三原選手は、体調不良による約1年半の欠場を経て復帰し、カナダ大会では自己ベストを更新して4位に。失敗が少なく、しなやかに流れるスケーティング、たおやかな表現でファンを魅了します。試合本番にも強い気持ちで挑み、僅差の戦いになった時にも強みがあります。樋口選手はパワーに加えてスピードと躍動感のある演技が特長。繊細な表現力にも一段と磨きをかけ、最大の武器であるトリプルアクセルもカナダ大会で成功させるなど、自信を深めています」
さらに、松生理乃選手や他のジュニア選手にも期待を寄せる。
「前回の全日本ジュニアの覇者で、17歳になったばかり。スピードを生かしながら流れのあるジャンプを跳び、目覚ましい成長ぶりです。五輪の年は、急成長の選手が台風の目になることが多く、彼女にも注目したいですね」
やぎぬま・じゅんこ●'73年4月1日生まれ、東京都出身。'88年世界ジュニア選手権2位、同年カルガリー五輪に出場。'93年冬季ユニバーシアード大会、アジアカップ優勝。'95年プロに転向し、アイスショーに出演。スポーツキャスター、コメンテーター、明治神宮外苑アイススケート場のインストラクターとしても活動。
取材・文=渡辺敏樹 ※取材は10月下旬に実施。
放送情報
フィギュアスケートグランプリシリーズ2021
放送日時:2021年12月1日(水)19:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
全日本フィギュアスケート選手権2021
放送日時:2021年12月23日(木)14:50~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくはこちら