山崎武司新垣渚の印象を吐露「できることなら(新垣が登板する日は)お休みしたかったです(笑)」

写真左から 新垣渚、山崎武司
写真左から 新垣渚、山崎武司

2003年当時、福岡ダイエーホークスに在籍していた新垣渚とオリックスブルーウェーブの山崎武司(※「崎」は正しくは「立さき」)が、スポーツライブ+で放送される「球人たちの記憶」に出演。同番組は、福岡ダイエーホークス主催試合の中からファンの印象に残っている試合をピックアップし、その試合の当事者たちが映像を見ながら振り返っていく。

6月21日(火)の放送回では、2003年7月7日に福岡ドーム(現・福岡PayPayドーム)で行われた「ダイエー×オリックス」戦を取り上げる。当時、プロ1年目の新垣と中日から移籍したオリックス1年目の山崎が、19年の時を経て自身が出場した試合を解説する。

今回、収録後の山崎と新垣にインタビューを行い、収録の感想や現役時代の互いの印象、一番記憶に残っている試合などについて語ってもらった。

――収録の感想は?

山崎「ホームランシーンなど印象的な場面は覚えていても試合の細かいところを振り返ることがないので非常に懐かしかったですし、こうやって自分たちが出た試合を解説できるっていうのは本当に楽しかったですね」

新垣「自分の出場した試合って、現役の時はフォームの修正や癖を見つめ直すという意味で見ていましたけど、ここ最近は全然観てなくて(苦笑)。そんな中で1年目の姿を見るなんて、久しぶり過ぎてうれしかったですね。また、そういう姿を自分で解説するっていうのは、なかなか恥ずかしいもので...。でも、新鮮でよかったです!」

――当時の自分はいちプレイヤーとして解説者の目にどう映りましたか?

山崎「どうですかねぇ。あの時は、次の年に球団から戦力外を受けるという時期なので、野球に対して心が折れて、ちょっと野球が嫌いになっていたので、観ていて『やっぱりオリックス時代の山崎武司と楽天イーグルスの時の山崎武司とは違うな』って思いました。2年契約でオリックスに来ていたんですけど、自分で『俺はもう賞味期限切れだな』って決めつけていたので、それがやっぱりプレーに出てましたね」

新垣「僕はキャンプ、オープン戦と調子がよく結果がよかったので、『プロ野球界ってこんなものか』と若干天狗になってシーズンに入ったら、スタートから2連敗と鼻っ柱を折られて『死にもの狂いじゃないと勝てない世界なんだ』というのを改めて気付かされて必死にやってました。だから、必死なプレーがなんとか勝利につながったという感じですね」

――実際に対戦されて、お互いの印象はいかがでしたか?

山崎「対戦の通算成績が1割9分くらいで、ホームラン3本ということで、『3割打って、バッターの勝ち』といいますが、『その3割まで持ってくるのはちょっと難しい』と思っていたので、『いいところで1本、大きいのを打ちたい』という気持ちでやっていました。バッター界でよく言うんですけど、『とにかく1本釣り』。変化球の1本釣りですね。"新垣=スライダー"だと思うのですが、僕は新垣の真っ直ぐは打てなくて『打てるのもスライダー、打ち取られるのもスライダー』だと思っていたので、スライダーを投げさせるようなシチュエーションをどれだけ作れるかに執心していました。まあ、やってて1割9分しか打てなかったんで完敗ですよね。できることなら(新垣が登板する日は)お休みしたかったです(笑)」

新垣「武司さんには『甘く入ると絶対打たれる』という印象があるから、基本的に厳しいところを攻めるという感じですね。(キャッチャーの)城島(健司)さんが厳しいところに構えますし(笑)。武司さんには絶対インコースかアウトコースで、基本的にはストライクを投げない。その中で"振ってくれたらラッキー"な感じのリードでした。"甘く入ると、絶対ホームラン"というイメージだったので、ヒリヒリするような駆け引きをしながら楽しい対戦をさせていただきました」

――現役生活の中で一番印象に残っている試合は?

山崎「(2009年に)楽天でクライマックスシリーズに行った時に1stステージでソフトバンクとやって、(第2戦の5回裏にバッテリーは)前のバッターの鉄平を敬遠して僕と勝負して、僕が3ランを打って試合がほぼ決まった試合ですね。打ってベンチに行ったら、なんか知らんけど野村(克也)監督とハグしてしまって...(笑)。あれがすごく自分の中で印象に残っていますね」

新垣「プロ1年目の初勝利ですね。千葉ロッテ戦だったんですけど、その前に2連敗していて『もしダメだったら2軍に行く』という覚悟で臨んで、完投で勝つことができたので。あと、両親も球場に来ていましたし」

――最後に視聴者の方、ファンの皆さんにメッセージをお願いします!

山崎「時間が経ってしまって僕らも忘れていて、かえって観てくださる野球ファンの方よりも僕たちが喜んで観てた感じではあるんですけども...(笑)。そんな中で、結果が分かっていることを振り返って"予想"じゃなく"結果"として解説するというのは、僕らにとっても勉強になりました。ファンの方も結果のデータを探して、それを見ながら観てもらうと、『この状況だから、駆け引き的にバッターはこういう見逃し方をしたんだ』というようなことも気付けると思うので、そのへんを観てもらうと楽しいんじゃないかなと思います」

新垣「野球ファンの皆さんはこの試合を観て、当時のことを思い出すと思います。僕自身も自分のプレーを観て昔を思い出したので。なかなかこうやって過去を振り返ることってできないと思うので、この番組をきっかけに、ふと2003年当時のことも思い出してもらえたらなって思います」

文=原田健

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放送情報

球人たちの記憶#7 ~ダイエー×オリックス(2003年7月7日開催)
放送日時:2022年6月21日(火)22:00~
チャンネル:スポーツライブ+
※放送スケジュールは変更する場合があります

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