藤井聡太竜王と伊藤匠七段による史上最年少の戦い、竜王戦七番勝負の展望はいかに!?

竜王戦防衛を目指す藤井聡太竜王
竜王戦防衛を目指す藤井聡太竜王

⒞囲碁・将棋チャンネル

両者は小学校3年生の頃に子ども大会で対戦がある。幼少期からのライバルが大人になってからも対戦が続くのは、将棋界らしいところだ。同学年の縁もあり、プロ入り後は団体戦で藤井が伊藤をチームメイトとして指名する一幕もあった。その時はまさかこれほど早く両者がタイトル戦で激突するとは、なかなか想像できなかっただろう。

タイトル戦での若いライバル対決と言えば1996年の第54期名人戦七番勝負の羽生善治名人(七冠)─森内俊之八段戦がある。当時の羽生は全七冠制覇を成し遂げた直後で、森内は初のタイトル戦登場だった。二人は同学年で奨励会に入る前から対戦があり、今回のシリーズとは共通点も多い。結果は羽生が4勝1敗で制したが内容は好局揃いで、この後20年近くに渡ってタイトル戦で戦い続けるライバル同士の1ページ目となった。

過去の対戦成績は昨年に2度対戦があり、どちらも藤井が勝っている。他に非公式戦だが新人王戦の記念対局もあり、やはり藤井が貫録を見せている。戦型は藤井が先手なら角換わり、伊藤が先手なら相掛かりが中心となるだろう。両者居飛車党だが、横歩取りや矢倉、雁木が出る可能性は低そうだ。互いに変化はせず、真っ向からの研究勝負となることが予想され、将棋界全体の流行にも影響を与えそうだ。

注目の七番勝負は10月6、7日に開幕する。「藤井世代」の戦いの始まりとして語り継がれることになるか、将棋史の節目となるシリーズだろう。タイトル戦初登場の伊藤は最初の2局までに初白星を取れるかどうかがポイントになりそうだ。

文=渡部壮大

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放送情報【スカパー!】

(将棋)[生]第71期 王座戦 五番勝負 第4局 永瀬拓矢王座 vs 藤井聡太竜王・名人
放送日時: 2023年10月11日(水) 8:45~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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