藤井聡太をはじめ若手棋士が台頭してきた将棋界。若手棋士たちのデビューからタイトル戦初登場までの記録を紹介!

 19歳で竜王を奪取した羽生善治
19歳で竜王を奪取した羽生善治

⒞囲碁・将棋チャンネル

渡辺は16歳の誕生日を迎える直前での四段昇段。プロ入りの難易度が上がった現行の三段リーグになってからの中学生棋士としては、藤井が出てくるまでは唯一の存在だった。タイトル初挑戦は19歳4ヶ月の王座戦で、この時は羽生にフルセットで敗れたが、翌年の竜王戦で奪取を果たしている。

こう見ると、中学生棋士はいずれも20歳前後でタイトル戦の大舞台に登場している。渡辺に次ぐ若さでの四段昇段を果たした佐々木が30歳まで掛かったのはかなり苦労したと言える。それでは他に初タイトル挑戦が早い記録を持つ棋士を見てみよう。

屋敷伸之九段は異例の記録を持つ。奨励会入会は中学生で早くはないが、入会から四段昇段まで3年も掛からず、16歳8ヶ月でのプロ入り。タイトルに絡むのも早く、17歳10ヶ月で棋聖挑戦。その時はフルセットで敗れたものの、半年後の再挑戦で奪取。18歳6ヶ月での初タイトル獲得。これは羽生がその少し前に立てた最年少記録をあっさり破り、藤井が更新するまでの記録だった。なお、挑戦に関しては藤井との差はわずか数日である。

本田奎六段の記録もすごい。デビューは21歳と、これまで紹介した棋士と比べて早くはないのだが、デビュー直後に始まった棋王戦でそのまま勝ち上がり、四段昇段からわずか1年4ヶ月でタイトル戦の舞台に登場した。先述した屋敷の棋聖戦は当時半年周期で行われていたことを思うと、史上最速級だ。初参加した棋戦でタイトル戦までたどりついた唯一の記録となっている(創設されたばかりの第1期を除く)。

文=渡部壮大

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放送情報【スカパー!】

[生]第72期 王座戦 五番勝負 第2局 藤井聡太王座 vs 永瀬拓矢九段
放送日時:9月18日(水)8:45~12:10、13:00~17:00、17:30~21:00 
※延長の場合あり
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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