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二冠にまつわる記録で不思議なものとして、渡辺明九段は2つ目のタイトルを取る前に、永世称号の資格を得た。通常は防衛を重ねられるほど安定した実力があれば、他のタイトルにも挑戦して奪取をしそうなものだが、渡辺は竜王奪取から5連覇で初代永世竜王になるまでの間、タイトル挑戦はわずかに1回でそれも失敗に終わった。複数冠よりも永世称号資格を先に得る珍記録は、タイトル数そのものが少なかった黎明期以降はなく今後も出てくる可能性は低そうだ。なお、渡辺はその後に三冠を達成している。
二冠達成者で同学年に当たるのは羽生と森内、藤井と伊藤の組み合わせのみだ。もちろんどちらもタイトル戦でも多く顔を合わせており、最大のライバルの証明でもある。森内は三冠にまで伸ばし、羽生に先んじて永世名人の資格を得たが、伊藤は果たしてどうなるだろうか。
2025年最後のタイトル戦となった竜王戦七番勝負は藤井が防衛を果たして永世竜王資格を得た。現状は藤井が六冠、伊藤が二冠で、二強時代の幕開けと言える。2026年は伊藤がさらに巻き返して三冠目を奪取するか、もしくは藤井が押し返すか、はたまた第3のタイトルホルダーが現れるか。藤井一強にストップを掛ける棋士が現れ、さらに混戦となるか。来年も激しい戦いが続くことになりそうだ。
文=渡部壮大
放送情報
ALSOK杯 第75期 王将戦 二次予選 伊藤 匠叡王 vs 広瀬章人九段
放送日時:2025年12月27日(土)18:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル (スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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