佐久間大介「役を見てほしい」 TVアニメ『キルアオ』古波鮫シン役を通して声優としてのスタンスを語る
アイドル
(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会
――今作でシンを演じるにあたっては、どんなディレクションが印象に残っていますか?
「最初にいただいたのは、プロの殺し屋だからこその余裕感を大事にしてほしい、ということでした。大きい声を出すと弱く見える、みたいなことってあるじゃないですか。ギャグの場面はしっかり振り切るとして、それ以外の場面では、強者としての余裕を立たせることが大事だと教えていただきました」
――おどおどしている場面はどう作っていったのでしょうか
「シンは、ちゃんと喋れないことで違う言葉に聞き取られちゃう場面が多いので、そこをいかに自然に成立させるか、というのは意識しました。変に狙いすぎず、でもちゃんと聞き間違えられるラインを探るというか。そのバランスはかなり考えましたね」
――アフレコ現場で印象に残っていることはありますか?
「僕がおしゃぶりをくわえて収録しているので、それがまず一つの話題にはなっていますね。横並びで録るときに、僕が喋り始めたのを聞いた共演者の方が『え、普通に喋っている......』と思って横を見たら本当におしゃぶりをくわえていて、笑いそうになったと言っていて(笑)。掛け合いの中でそう感じてもらえたのは嬉しかったです。
あと、差し入れがその回に出てくる食べ物にちなんでいることも多くて。あんパンが出てくる回にはパンの差し入れがあったりして、現場を楽しくしてくれているのもこの作品らしいなと思います」
――演じるうえで、好きなキャラクターや先輩たちから受けた影響も大きいのでしょうか?
「めちゃくちゃあります。好きな人や憧れの人から影響を受けることは、自分にとってすごくプラスなんです。影響を受けたうえで、じゃあ自分ならこうするかなと考える。その積み重ねが自分の表現になっていると思います。
たとえば以前、主演映画で座長として現場に立つときに、『どういう座長がいいんだろう』と考えたことがあって。僕が身近で見てきたすごい座長のひとりが土屋太鳳さんなんですけど、本当に強くて、みんなを引っ張って、背中で見せるタイプ。でも僕はそれをそのまま真似するんじゃなくて、みんなで楽しみながら最前列で歩いていく形が、自分らしいのかもと思ったんです。そういうふうに、人のやり方を見て、自分なりの形にしていくことは、お芝居でもずっと続いています」
――それは、声優でも実写でも共通している感覚ですか?
「共通しています。僕はどちらかというと、役を"憑依させる"みたいな感覚のほうが向いているんです。決め込みすぎないで、その場で出てきたものを信じるというか。もちろん大事な部分はきちんと押さえますけど、そのキャラクターが自分の中に入った状態で出てくるものが一番正しいと思っているので、それをきちんと精度高く出せる自信と経験と技術を身につけたい、という意識でやっています」
――その考え方は、アイドルとしての活動や実写での芝居とも違いますか?
「役者として演じているときは、実写でも声でも一緒です。僕を見てほしいんじゃなくて、役を見てほしい。作品を楽しんでほしいんです。そこで佐久間大介がいると見えすぎてしまうと、作品を好きな人からしたらノイズになることもあると思うので。キャラクターがちゃんと生きていることが一番大事なんです。もちろん、アイドルとしてバラエティやSNSに出るときは、自分を見てほしいですし、自分を通して好きなものを広めたい気持ちもあります。でも、役のときはまた別。そこはちゃんと切り替えています」
――一方で、声優の経験が実写や音楽活動に生きていると感じる瞬間もあるのでしょうか?
「ちょうど声優のお仕事と映画の撮影が重なっていた時期があって、声でのキャラクターアプローチを実写に持ち込んでみたり、逆に実写で掴んだ感覚を声に持ってきたりしたら、すごくうまくいったことがあったんです。こうやってつながるんだなと実感しました。実写だと、後からアフレコをすることもあるんですけど、僕は映画でほぼアフレコをした経験がないんです。どういう状況でも台詞を明瞭に届ける、という意味では、声優の経験がすごく生きていると思います」
――原作ファンとして、アニメならではの演出で楽しみにしているポイントはありますか?
「やっぱりアクションシーンですね。この作品はアクションシーンが多いので、アニメでどれくらい動くのか、どういう表情になるのかはすごく気になります。原作では自分の想像の中で動いていたものが、実際に映像としてどう立ち上がるのか。シンの戦闘シーンも絶対にかっこいいだろうなって、すごく楽しみにしています」
(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会











