佐久間大介「役を見てほしい」 TVアニメ『キルアオ』古波鮫シン役を通して声優としてのスタンスを語る
アイドル
――佐久間さんは以前から、ご自身を内向的な少年だったと語っています。アニメや漫画は、そうしたご自身にとってどんな存在でしたか?
「一番大きかったのは、現実逃避と追体験ですね。非日常を追体験できる場所だったし、この世界に入りたいと思わせてくれる場所でもあった。でも現実には入れないじゃないですか。じゃあ何ができるかと考えたときに、キャラクターに近づくことはできるんだと思ったんです。この子だったら、こういうときに何て言うかな、どういうリアクションをするかな、そういうことを自分の中で試していくうちに、今の自分のリアクションの大きさや、キャラクターっぽさにもつながっている気がします。
僕は人間なのにキャラクター性が強いってよく言われるんですけど、多分ちょっと二次元っぽいんですよね(笑)。それは間違いなく、アニメや漫画からもらってきたものだと思います」
――作品の中には、世代を超えて刺さる台詞や姿勢も多いですが、特に印象に残っているものはありますか?
「たくさんあるんですけど、たとえば『おにぎり作ってもらったら、ちゃんとありがとう言わんかい!』という台詞があって。あれはもう、本当にその通りだなと思いました。少しおごりのある天才肌の子に対して、十三が人として大事なことをちゃんと伝えているんですよね。ありがとうとかごめんなさいって、当たり前すぎるからこそ、逆に忘れがちでもあると思うんですけど、でも本当はすごく大切なことなんだなと。そういうことをきちんと教えてくれる作品でもあると思いました」
――その感覚は、シンの"一途さ"にも通じるところがありそうです
「そうですね。僕自身も、仕事でもプライベートでも、愛がないと動けないタイプなんです。今のお仕事も、自分が好きなものだったり、そこに愛が生まれているもの、生まれそうだと思えるものじゃないとやりたくない、というのは自分の中で決めています。愛で動けるものだけ、という感覚ですね。
もちろんアイドル活動もそうですし、いろんな番組に出るのもグループへの愛があるからこそだし、声優のお仕事も自分がやりたいことだからやっている。根っこにあるのは、やっぱりそこなんだと思います」
――その"愛"の感覚は、好きでい続けられる理由にもつながっていますか?
「つながっていますね。僕、基本的に"永遠に加点方式"なんです。人と関わっていくと減点方式になっていく、みたいなことはよく言うじゃないですか。でも僕は、相手の嫌なところが見えてもそれも個性じゃんと思うんです。だから、あまりマイナスが生まれないんですよね。
唯一、人を嫌いになるとしたら、自分の仲のいい人とか、友達の悪口を言う人。それはさすがに嫌だなと思います。でも、それ以外はあまりなくて。だって、その人たちや作品がなかったら、今の自分はできあがっていないとわかっているから。だから守りたいし、一度好きになったらずっと加点方式でやっています」
――その考え方は、どうやって生まれたのでしょうか?
「たぶん、人と人を比べるのをやめたからだと思います。得意なものも違えば、好きなものも違うのに、なんで比べなきゃいけないんだろうと思ったんです。比べるより、その人が持っているものを伸ばしていったほうが、ずっと魅力的じゃないですか。そう思えるようになってから、人の嫌なところも"個性"として見えるようになったんです」
――素敵な考え方ですね
「事務所の中にもライバルはたくさんいますけど、あの人がこれをやっているから、自分も同じことをやろうではなくて、あの人がそれをやっているなら、自分はこっちを伸ばせばいいじゃんと考えるようになりました。そうすると、人を嫌いになる理由ってどんどん減っていくんです」
(C)藤巻忠俊/集英社・「キルアオ」製作委員会
取材・文=川崎龍也











