藤井フミヤの髪型も懐かしい！チェッカーズが3曲ベストテン入りした「ザ・ベストテン」の伝説回は中森明菜が1位を記録し、デビュー間もない吉川晃司もパフォーマンス

この頃から、藤井郁弥を真似て前髪の一部を長く伸ばす髪型が流行するなど"チェッカーズ旋風"というか、社会現象とも言える一大ブームが起こるが、その記念すべき瞬間が1984年5月だったと言える。この週の3曲は、「ギザギザハートの子守唄」が6位で、曲の前に藤井郁弥が高校時代のアルバイトで会得した特技を披露。「涙のリクエスト」は3位で"リクエスト"のハガキを花に見立てたセットの中で演奏を行った。そして「哀しくてジェラシー」は2位で、バックに巨大な現代アートの男性と女性のオブジェが登場。

そんなチェッカーズの勢いを抑えて1位を獲得したのは中森明菜の「サザン・ウインド」だった。後に"花の82年組"と呼ばれるほどアイドルが豊作だった1982年にデビューし、「少女A」「セカンド・ラブ」「禁句」など、アップテンポな曲からスロウな曲まで幅広い楽曲を巧みに歌い上げ、1984年には人気と音楽シーンにおける地位を確立していた。この回でも、感情豊かな歌声でしっかりと楽曲の世界観を伝えてくれている。

もう一人注目したいのは、この週は中継で出演した吉川晃司。1984年2月1日に主演映画「すかんぴんウォーク」の主題歌「モニカ」でデビューし、3月22日の「スポットライト」で「ザ・ベストテン」初出演。水球で鍛えた体を生かして躍動的なパフォーマンスが魅力で4月5日に第7位にランクイン。この時も母校からの中継だったがスーツ姿でプールに飛び込むという衝撃的な行動も印象に残った。そんなフレッシュで勢いのある吉川晃司のパフォーマンスにも注目してもらいたい。

文＝田中隆信

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