ナオト・インティライミ、そのライブの秘訣は"全部見せ"

"インティ"は太陽。"ライミ"は祭り。南米アンデス地方のケチュア語から名付けたアーティスト名、ナオト・インティライミ。歌って、踊って、見せて、聴かせて、そのうえアーティストとは思えない?軽妙なトーク(MC)まで楽しめちゃう彼のライブは、このアーティスト名に恥じない、心踊る時間と笑顔溢れる空間を思う存分体感できる場所だ。

持ってるものを"全部見せ"してくれるライブ

ハイテンションで一気に観客を盛り上げたかと思えば、ぬくもりのある声で心に染み入るバラードを聴かせ、ファンキーなナンバーでは軽快はダンスを披露したり、弾き語りで静かな時を刻んだりと、自分ができることを出し惜しみすることなく、彼は全部見せしてしまう。それはお客さんを楽しませたい!という思いがあってこそだが、彼の人生観に寄るところが大きいのかもしれない。

ドキュメンタリー映画『旅歌ダイアリー』の中で、彼は"このチャンスを逃すな"という言葉を残し、2013年に発売した6thアルバムに『Nice catch the moment!』と名付けている。チャンスは勝手に向こうからやってこないから、自分で作るものだということを、彼自身が自分の人生の中で経験しているからこそ、彼は自分からアクションを起こし、ライブ会場にいるみんなをどんどん巻き込んでいくのだ。それこそ友達や恋人に連れてこられたように見えるナオト・インティライミ初心者の人が、いつのまにやらナオトのペースに巻き込まれて、タオルをブンブン振り回していたり、ジャンプしたり踊ったりと、楽しみまくっている光景を私は何度も見ている。せっかくライブに来たのだからとことん楽しまなきゃ!という気分になってしまうのは、まさにナオト・インティライミのライブマジックだ。

紆余曲折の人生を歩んだからこそ伝わる歌

屈託のない笑顔はまるで子供みたいだったり、歌のお兄さんのような雰囲気を持っていたり。人生相談の相手になってくれる先輩や頼れる兄貴みたいな存在だったり。こんな友達がいたら楽しそうだな~なんて思えたり。そんなふうに思えるのは、ナオト・インティライミが誰に対しても垣根を作らずに接するからだろう。

しかし、そんなナオト・インティライミにも、何をやってもうまくいかない時期があり、後悔を引きずった日々を過ごしたことや家にひきこもっていた経験がある。そんな苦しくて辛い経験や紆余曲折の人生を歩んだ彼が歌うからこそ、彼の歌詞に共感を覚える人、生きる活力をもらっている人がたくさんいるのだと思う。かつて彼が世界各国を一人旅した経験が、ライブに足を運んでくれた一人ひとりとの一期一会の出会いを大切にしたいという思いに繋がっている。

生き方や人生観が見えてくるライブ

子供の頃から現在も続けているサッカーは、熱量の高いライブを乗り切る持久力、どんなアクシデントにも対応できる順応力を養ってくれた。そう、どんな些細なことも、その後の人生に繋がっているのだということを、人生には無駄なことなどひとつもないのだということを、彼は目の前にいる観客に見せ続けている。そんな彼の生き方や人生観が見えてくるライブを見れば、また頑張ってみようかなという気持ちに自然とシフトしている自分に、そして、いつのまにか笑顔になっている自分に気づくはずだ。

もう一度原点に戻るために、今年の初めから約半年間の海外一人旅に出たナオト・インティライミ。開催中のZeppツアー『ナオト・インティライミ LIVEキャラバン2017「旅歌ダイアリー」』で、彼は旅した気持ちを歌にして届け、旅先での出来事もたくさんトークし、今の自分にできることを全力で"全部見せ"しているにちがいない。

Writer:松浦靖恵

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

ナオト・インティライミ LIVEキャラバン2017「旅歌ダイアリー」

放送日時:2017年12月21日(木)19:00~

チャンネル:BSスカパー!

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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