宇垣美里のときめくシネマ>未だ古びぬ魅力を放つ「ハリー・ポッター」シリーズで ワクワクに満ちた魔法の世界に浸る

ホグワーツ行きの列車に乗れなかったハリーは、空飛ぶ車で学校へ向かう (「ハリー・ポッターと秘密の部屋」)
ホグワーツ行きの列車に乗れなかったハリーは、空飛ぶ車で学校へ向かう (「ハリー・ポッターと秘密の部屋」)

(C) 2002 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

2作目は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(2002年)。この作品の魅力はなんといってもドビーでしょう!叔母の家に軟禁されていたハリーのもとにドビーと名乗る屋敷しもべ妖精が現れ、「ホグワーツに戻ってはならない」とハリーに警告する。なんとか学園へと戻ったハリーだったが、ホグワーツでは生徒が石にされる事件が立て続けに発生し、スリザリンの継承者によって秘密の部屋が開かれたのでは、と噂されていた。

「ハリー・ポッター」の世界に生きるのはヒト族だけではない。大きい耳と目が印象的な屋敷しもべ妖精や大蜘蛛アクロマンチュラのアラゴグ、叫ぶマンドラゴラにばかでっかいヘビ、そして不死鳥......。そのどれもが妙に現実感があって、私の知らないどこかにきっといるんだろうなあ、とうっとりしてしまう。動物好きの私としては、幼少期はハリーに憧れてふくろうが飼いたくてしかたがなかった。ドビーはかなりありがた迷惑なキャラクターではあるのだけれど、まっすぐな気持ちがいじらしく、どうしたって嫌いになれない。しかもちゃんと強い。ミステリー要素も強く、伏線も効いているのもおすすめポイント。ダークな雰囲気が魅力で、個人的にはシリーズイチオシの作品だ。

 ハリーは脱獄犯であるシリウスと出会い、ついに両親の死の真相に触れる(「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」)
ハリーは脱獄犯であるシリウスと出会い、ついに両親の死の真相に触れる(「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」)

(C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

■ハリーの世界がどんどんと広がり、大人の物語へと駆け上っていく

3作目「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(2004年)では、ついにハリーの両親の死の謎が明らかになる。ハリーの両親を裏切って2人を死に追いやったシリウスが魔法使いたちの牢獄アズカバンから脱獄した。彼はハリーの命も狙っているという。ホグワーツにはシリウスを警戒するためにアズカバンの看守である吸魂鬼ディメンターが配備され、ハリーはその力に苦しめられる。

ハリーたちも13歳、思春期が爆発している様子が微笑ましい。脱獄犯であるシリウス・ブラックのワイルドさはもちろんのこと(なにせゲイリー・オールドマンが演じている!)、ハリーたちの良き師となるリーマス・ルーピン(デヴィッド・シューリス)の枯れた魅力にぐっときた。私のナンバーワン使ってみたい魔法である「エクスペクト・パトローナム」も登場!自分の守護霊は何だろうかと思わずうっとり。今までの作品とは違い、宿敵ヴォルデモートは登場しない。しかし大どんでん返しにアッと言わされ、ハリーの世界がどんどんと広がり、大人の物語へと駆け上っていくのがわかる。

三大魔法学校対抗試合に出場することになってしまったハリーは、決死の試練に挑んでいく(「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」)
三大魔法学校対抗試合に出場することになってしまったハリーは、決死の試練に挑んでいく(「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」)

(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

4作目は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005年)。この作品は、現在赤坂でロングラン上演されている「ハリー・ポッターと呪いの子」の舞台の一つとも言える物語となっている。ホグワーツで約100年ぶりに開催されることとなった三大魔法学校対抗試合。立候補していないのにもかかわらずホグワーツの代表選手の一人となったハリーは、白い目で見られながらも課題と向き合うが、やがてその裏に宿敵ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)の存在が浮かび上がってくる。

闇の魔法の気配がどんどんと強くなり、ハードな世界線へと突入していく4作目。宿敵ヴォルデモートとの闘いがここから本格化することになる。一つ一つの課題は「イカゲーム」もびっくりなほどのデスゲームで、もはやハリーの命の危険を感じてハラハラする一方、ダンスパーティーのシーンなどは青春の輝きに溢れている。ハーマイオニーの魅力にあてられてしまうのは、なにもロンだけではないだろう。

3人で成長していくハリー、ロン、ハーマイオニーの絆にも胸を打たれる(「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」)
3人で成長していくハリー、ロン、ハーマイオニーの絆にも胸を打たれる(「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」)

(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

「ハリー・ポッター」の世界をよりしっかりと知りたければ、原作小説が一番いい。でも、火を噴くドラゴンや箒に乗って行う競技クィディッチ、動く肖像画に半透明に浮かぶゴーストたちを目撃できるのは映画ならでは。よくよく見ているとしっかりクソガキなハリー・ポッターのイギリス感溢れる物言いも私は大好き。物語はいつも夏休みから始まるので、観返すならこのタイミングがぴったり!うだるような暑さも進まない仕事もダイエットも忘れ、魔法の世界に浸ってみてはいかが。

文=宇垣美里

宇垣美里●1991年生まれ 兵庫県出身。2019年3月にTBSを退社、4月よりオスカープロモーションに所属。現在はフリーアナウンサー・俳優として、ドラマ、ラジオ、雑誌、CMのほか、執筆活動も行うなど幅広く活躍中。

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放送情報【スカパー!】

ハリー・ポッターと賢者の石
放送日時:2024年7月10日(水)21:00~、14日(日)23:05~

ハリー・ポッターと秘密の部屋
放送日時:2024年7月17日(水)21:00~、21日(日)23:30~

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
放送日時:2024年7月24日(水)21:00~、28日(日)23:00~

ハリー・ポッターと炎のゴブレット
放送日時:2024年7月31日(水)21:00~

(吹)ハリー・ポッターと賢者の石
放送日時:2024年7月15日(月)9:30~

(吹)ハリー・ポッターと秘密の部屋
放送日時:2024年7月21日(日)8:00~

(吹)ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
放送日時:2024年7月28日(日)8:45~
チャンネル:ムービープラス

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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