「眼差しひとつで全てを表現する」――そう称されるほど巧みな演技力で、作品ごとにまったく異なるキャラクターを演じ分けてきたパク・シフ。優秀な財閥三世をチャーミングに演じた「黄金の私の人生」(2017年)や、復讐と愛との間で揺れ動く葛藤を体現した「バベル(原題)」(2019年)など、近年の主演ドラマでもその実力を発揮し、高視聴率をマークしてきた。
そんなシフが「王女の男」(2011年)以来、9年ぶりとなる時代劇に挑んだドラマ「風と雲と雨」が、8月22日(土)よりKNTVにて日本初放送される。興宣大院君とその息子、高宗の時代を背景に、史実とフィクションを織り交ぜた物語が紡がれる本作で、シフが演じているのが朝鮮最高の知略家、チェ・チョンジュンだ。国家の運命を読み取り、民衆のため、愛する女性のために、全てを捧げた"英雄"チョンジュンというキャラクターにいかに挑んだのか?その気になる役作りの秘密を聞いた。
――「王女の男」以来9年ぶりの時代劇ですがいかがでしたか?
「久しぶりの時代劇でしたが、『王女の男』と少し雰囲気が似ている部分もありました。台本の流れも似ていましたが、『王女の男』よりアップグレードしたような感じです。『王女の男』の時は生放送のような非常にタイトなスケジュールだったんですが、今回は事前撮影だったので演技的にも余裕があり、良い反応がいただけるのではないかと思います。『王女の男』も日本で愛していただけましたが、『風と雲と雨』では序盤はもちろん、話が進むほどに面白くなっていきます」
――役柄とご自身で似ている点、異なる点は?
「似ている点は、チョンジュンは余裕があるんですが、そんな姿は似ていると思います。また人の話を真剣に聞く部分も似ていますね。異なる点は...多いですね(笑)。僕は未来が読めないですし。ただ6ヶ月もの間、チョンジュンを演じていたので、人を見ると少しだけ、何かを感じるようにはなりましたね。人に会うと、『あ、この人はこういう性格だな』というのを感じられるようになりました」
――印象に残っているセリフや場面は?
「王の相を読み取り、ある人物の前にひざまずいて『この方こそが次の王になる方です』というシーンが特に印象に残っています。それから興宣大院君(チョン・グァンリョル)との対立シーンも印象に残っていますね。またボンリョン(コ・ソンヒ)とのロマンスシーンも印象に残っています。ボンリョンとの場面でホタルが出てくるんですが、エンディングもそうですし、序盤も美しいシーンになったと思います」
――コ・ソンヒさんとの共演はいかがでしたか?
「コ・ソンヒさんはお若いので新人だと思っていたのですが、出演作も多く経験豊富でした。相手への配慮にもあふれ、良い化学反応が生まれましたが、特にラブシーンは息も合っていたんじゃないかと思います。ラブシーンをよく活かしてくれる俳優ですね。ソンヒさんのおかげでいつも楽しく撮影していました。相性ぴったりだったと思います」
――制作発表会で眼差しの演技に気を遣ったと話されていましたが、どのようなところを意識したのでしょうか?
「人の心を見抜くためには余裕がないといけないと思います。カメラの前でもそんな余裕が感じられるようにしました。チョンジュンらしく余裕と自信を持って演じました」
――高宗の時代を背景にしていましたが、シフさん自身が好きな歴史上の人物はいますか?
「皆さんお好きな世宗大王やイ・スンシン、正祖は僕も好きです。個人的にも歴史は好きなのですが、本作は俳優たちも努力し、話が進むほど面白さが加速します。これまでも素晴らしい監督たちとご一緒してきましたが、『風と雲と雨』の監督は、細部にまで演出が行き渡り、俳優の進むべき方向を照らしてくれました。現場でもカリスマが素晴らしかったです。監督ありがとうございます(笑)」
――今作がご自身に残したものは?
「時代劇というのは本当に大変なので、以前は時代劇に出演すると『二度と時代劇はやるまい』と思っていたのですが(笑)、今回は撮影後も『また時代劇がやりたい』と思いました。時代劇とよく合っているんだなと思いました。出演者という立場ではありましたが、僕自身も本作を楽しく見ていました。僕の人生で最高の作品になったと思います」
――今後の目標を教えてください。
「『風と雲と雨』が韓国で愛していただけて満足しています。今後は『風と雲と雨』を超える新たな作品を生み出さなければというのが目標です」
文=HOMINIS編集部
放送情報
風と雲と雨
放送日時:2020年8月22日(土)20:00~
※毎週(土)20:00~(2話連続放送)
「風と雲と雨」インタビューSP
放送日時:2020年9月9日(水)18:15~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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