9年ぶりとなる時代劇主演作「風と雲と雨」(2020年)で、興宣大院君とその息子・高宗の時代に活躍した"観相師"を演じ話題を呼んだパク・シフ。「僕の俳優人生で最高の作品」と自身も太鼓判を押すなど、"朝鮮最高の知略家"としての知性とオーラを漂わせた佇まいはまさにハマリ役で、改めて時代劇との親和性の高さを証明することになった。
「一枝梅<イルジメ>」(2008年)や「王女の男」(2011年)といった作品で評判を集めたこともあり、"パク・シフ=時代劇"というイメージは根強い。とはいえ、作品ごとにガラリと印象を変える眼差しで、恋愛ものからシリアスな題材までキャラクターを見事に演じ分け、"高視聴率王子"と呼ばれるほどヒット作を積み上げてきた。
そんなシフのキャリアの中でも異彩を放っているのが、ラブコメディ作品でのコミカルな演技だ。現在のシフのイメージとはギャップがあるが、特にキャリア初期には、ラブコメディ作品にも出演を重ね、多くの女性ファンを魅了してきた。そんなレアな作品たちが、DATVにて「パク・シフ特集」として11月に一挙放送される。
11月30日(月)深夜から放送される「快傑春香」(2005年)は、韓国の古典小説「春香伝」をモチーフに、美少女高校生と不良転校生の恋模様を描く学園コメディで、本国放送時に視聴率30%超を記録したヒット作。問題児・モンリョン(ジェヒ)の初恋相手の恋人役として登場したシフは、本作がドラマデビューであり、はにかんだ笑顔や軟派な振る舞いなど若々しい魅力にあふれている。さらに、ワインを豪快にぶっかけられて戸惑う"余裕のなさ"も、今となっては貴重な姿といえるだろう。
そんなシフだが、11月5日(木)深夜から放送される「検事プリンセス」(2010年)では大人の魅力を見せるようになる。キム・ソヨン演じる金持ちの新米検事・ヘリが巻き起こすドタバタ劇を描くこの作品で、シフはヘリの前に突如現れる謎の弁護士・イヌを演じている。
トラブルメーカーなヘリに対し、イヌは何でもこなしてしまう大人な男性で、彼女の窮地を救ってくれる優しさとたくましさを持っている。そんな王子様のような人物をエレガントかつ軽快に演じ、不意のキスなど甘い姿でも世の女性を虜にした。実はある目的からヘリに近づいてる...というイヌのミステリアスな部分を、シフはふとした瞬間のクールな眼差しで表現。コミカルさとシリアスを良い塩梅で織り交ぜた、さすがの演技を見せつけている。
一方で、職場結婚した夫婦に襲いかかる様々な窮地をコミカルに描いた2010年のドラマ「逆転の女王」(11月19日より放送)では、主人公・テヒ(キム・ナムジュ)の夫・ジュンス(チョン・ジュノ)の軍隊時代の後輩で、2人の関係を乱す存在として現れるヨンシク(パク・シフ)を演じている。
社内の構造改革を担う本部長で、仕事のできないジュンスをリストラに追い込むなど、冷酷なところがありながらも、がむしゃらに頑張るテヒに次第に心惹かれていったり、自らの生い立ちに悩んだり...と、実は人間味のあるヨンシク。
この複雑なキャラクター性を表すためにシフが駆使したのが冷たさと悲しみを帯びた眼差しの大胆な使い分けだ。泥酔シーンで見せる迫真の演技など、スマートなイメージとかけ離れた姿は印象的だった。
"眼差し一つですべてを表現する"と絶賛されるほどの実力ゆえ、映画初主演を飾った『殺人の告白』(11月6日放送)など、現代劇ではシリアス系の作品でインパクトを残しているが、ラブコメディでも抜群の存在感を発揮しているシフ。初々しく、コミカルで、さらに人間臭い...という現在のシフからは想像できないようなギャップのある姿には驚かされること間違いなしだ。KNTVにて11月3日(火)から再放送される最新作「風と雲と雨」と見比べてみれば、その演技力の高さをより味わうことができるだろう。
文=HOMINIS編集部
放送情報
風と雲と雨
放送日時:2020年11月3日(火)8:30~
※毎週(火)~(金)8:30~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
検事プリンセス
放送日時:2020年11月6日(金)0:15~
※毎週(火)~(土)0:15~
殺人の告白
放送日時:2020年11月6日(金)20:00~
逆転の女王
放送日時:2020年11月19日(木)23:00~
※毎週(月)~(金)23:00~
快傑春香
放送日時:2020年12月1日(火)0:15~
※毎週(火)~(土)0:15~
チャンネル:DATV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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