チェ・ジニョクが見せたKゾンビの新機軸！BBクリームを愛用する美麗なゾンビの魅力とは

近年、多岐にわたるジャンルでヒットコンテンツを量産し、世界中から熱い視線が注がれている韓国の映画やドラマ。中でも、カンヌ国際映画祭で高い評価を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)をはじめとする"Kゾンビ"は、大きな成功を収めているジャンルだ。

映像化され尽くしているジャンルではあるが、16世紀の宮廷を舞台にしたゾンビ時代劇「キングダム」(2019年～)や、"ゾンビビジネス"に手を出した貧乏一家の顛末をコミカルに描いた『感染家族』(2019年)など、斬新な設定の作品も次々に生み出されている。そんな多様なKゾンビが揃う中で、一風変わったゾンビ像を打ち出した新作ドラマ「ゾンビ探偵(原題)」が、衛星劇場にて6月30日(水)から日本初放送される。

タイトルの通り、"ゾンビ探偵"が未解決事件に立ち向かう本作で、主演を務めているのが実力派俳優チェ・ジニョク。今年でデビュー15周年を迎える彼は、もともとKBSサバイバルスターオーディションでグランプリを勝ち取り芸能界に入ったという経歴の持ち主だ。

2013年の「相続者たち」でSBS演技大賞のニュースター賞を受賞し脚光を集め、膝の怪我から芸能活動の休止も経験したが、2017年の「愛の迷宮-トンネル-」で3年ぶりに復活し、ひょんなことから30年後にタイムスリップしてしまう熱血刑事グァンホを好演した。

高視聴率を記録した2018年の「皇后の品格」では、ある秘密を抱えて王室に近づいた心優しき警備員という複雑な役どころを演じ、SBS演技大賞最優秀演技賞を受賞。さらに近年では、社会派スリラー「ジャスティス－復讐という名の正義－」(2019年)で堕落した弁護士、「RUGAL/ルーガル」(2020年)でスーパーヒーローに扮するなど、幅広い役柄にチャレンジし、存在感を放ってきた。

そんなジニョクが、「ゾンビ探偵(原題)」で演じているのは、香水とBBクリームを愛用する清潔感に溢れたイケメンゾンビ。ある日廃棄物の中で目覚め、自分がゾンビとして蘇ったことに絶望するも、人間と共存するため山中で"人間トレーニング"に励み、探偵キム・ムヨンを名乗るようになる。これまでにも例のない、ある意味もっとも突飛な設定のゾンビキャラと言えるだろう。

トレーニングを終えたムヨンが街中に降り立つと、世間は女児誘拐殺人事件、通称"サンタ事件"の話題で持ちきり。やがて事件を追う時事番組「追跡70分」の放送作家ソンジ(パク・ジュヒョン)と出会い、2人は事件解決に奔走していく...というストーリーだ。

お手本がないような難役だが、ゾンビらしいゆっくりとした動作が日々の地道な訓練によって徐々に滑らかになっていく様子や、仏頂面から熱を帯びていく表情の変化など、キャラクターの機微を見事に捉えて表現したジニョク。探偵として様々な困難に遭遇し、翻弄される姿もコミカルかつチャーミングに熱演した。

その反面、孤独を感じさせるような眼差しや、どこか達観した佇まいも見せるなど、ゾンビという固定概念に囚われず、誰よりも複雑で人間味があるという独自のキャラクター像を見事に築き上げている。

近年、積み重ねてきたカメレオン的な演技力を存分に発揮しているジニョクは、同じく衛星劇場で6月27日(日)から放送されるフュージョン・コメディ時代劇「哲仁王后(原題)」にも出演。虚勢を張ってばかりの大統領府のシェフという役どころで太々しい姿を見せている。

どちらもコミカルな役どころではあるが、ファンタジックな世界観にも負けない強烈な個性は一見の価値あり。合わせてチェックすることで、その稀有な存在感に驚かされるはずだ。

文＝HOMINIS編集部

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