朝鮮時代を舞台に女性よりも美しい結婚仲介人の活躍を描いた「コッパダン~恋する仲人~」(2019年)や、天才ピアニストを演じて高く評価されたラブロマンス「ブラームスが好きですか?」(2020年)など、近年は話題作への主演が相次いでいるキム・ミンジェ。
演技賞を受賞するほどの確かな実力で頭角を表している彼は、もともとアイドル練習生出身という異色のキャリアの持ち主。バラエティ番組「イケメンブロマンス」にBTSのVと共に出演し、その友人関係が話題になったこともあり、ラッパーやMCの実力も番組で披露してきた。現在の若手実力派俳優というイメージからは意外に映るかもしれないが、そのマルチな才能には目を見張るものがある。
2014年にドラマデビューしてからは、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(2016年)での王様役や、「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズ(2016年・2020年)での看護師役といった大ヒットドラマに出演し、決して主要キャストではないながらも、鮮烈な存在感でドラマファンに印象付けてきた。
そんなミンジェが、まさに新境地!というべき意外な姿を披露しているのが、5月20日(金)からKNTVにて放送される最新主演作「ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~」。商魂たくましい男性と芸術を愛する女性という正反対の2人が織りなすラブコメディだ。
偶然オランダのパーティーで出会ったカムジャタン(韓国の鍋料理)チェーン店の跡取りであるムハク(ミンジェ)と、美術館の学芸員のダリ(パク・ギュヨン)。父親の死によって、急遽帰国したダリは父の美術館を継ぐが、赤字続きで膨大な借金を抱えていることが判明する。一方、投資していた美術館の金を回収するよう父親から命じられたムハクは、その館長の娘がオランダで出会ったダリだと知り、借金返済を名目に、彼女について回るようになる。
これまで好感度の高い爽やかなキャラクターを演じることが多かったミンジェだが、本作のムハク役はそんなイメージを180度覆すような役柄。一大チェーン企業の常務にも関わらず無学で、貧乏だった過去の金銭感覚が抜けないケチな"コスパ男子"だ。しかし、そんな一面が幸いしてか、金儲けの才覚だけはずば抜けており、美術館再建に向けてその力を発揮していく。
エンジ色のスーツなど、身に着けるファッションも派手な服ばかり。ドラマに先駆けてKNTVにて放送される「『ダリとカムジャタン』インタビューSP」では、上品とはかけ離れたムハク役について、「性格的には似ている部分はほぼありませんので(笑)、それが面白かったです」と明かしているミンジェだが、「8ヶ月ほどムハクとして生きてきたのでシンクロ率は90%くらいでしょうか。シンクロ率が上がっていると思います」とも語っている。
その言葉通り、札束の匂いを楽しむ際の恍惚の表情や、クーポンを出すときの図々しい佇まい、「俺の金を返せ!」と怒号を浴びせる口調など、振り切った演技で感情豊かなムハクのユニークな人柄を体現。どこか憎めない男として映るコミカルな姿には、思わず笑いがこぼれてしまう。
さらに虚栄心の強いムハクの性格を表現するため、第1話で見事な肉体を披露しているミンジェ。「第1話のエンディングだったのでとてもプレッシャーでした。他の話数だったら『演技に集中します』と言って逃げることもできたんですが、第1話でムハクのキャラクターを表すためにも必要なシーンでした。一生懸命運動して準備しました」と語っており、個性的なキャラクターを全身全霊で作り上げたことも、インタビューで明かしている。
また韓国で"ダルムカップル"として人気を集めた、ぶつかり合いながらも徐々に惹かれあっていくダリとの絶妙な関係性も大きな見どころの一つ。濃厚なキスやベッドでのひとときなど、ロマンティックなラブシーンも散りばめられており、コミカルな姿とは一変させる甘い表情には、思わずときめいてしまうことだろう。
コメディからロマンスまで幅のある演技で、役者としての技量の高さを本作で証明しているキム・ミンジェ。彼にとって意欲的な1作で見せる新境地に注目したい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
「ダリとカムジャタン」インタビューSP
放送日時:2022年5月5日(木)22:00~
ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~
放送日時:2022年5月20日(金)20:00~
※毎週(金)20:00~(2話連続放送)
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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