「時代劇の女神」ことキム・ソヒョン、「恋するアプリ」とはまた違ったタフで気高いヒロインに魅了

第25代国王・平原(ピョンウォン)王とヨン王妃との間に生まれたピョンガン王女は、将来王となって国を守る夢を抱き、武芸の修練に日々励んでいた。だが、王の重臣による策略でヨン王妃は命を奪われ、ピョンガンは行方不明になってしまう。

それから8年、記憶を失い、刺客・カジンとして生きていたピョンガンは、純朴な青年オン・ダルと宿命的に出会い、惹かれ合っていく...という激動のストーリーが展開される。

第1話冒頭から、ソヒョンの超ド派手な本格アクションが目を引く。疾走する馬上で剣を抜き、地上に降り立つや、身を翻しながら敵兵をなぎ倒していく姿は圧巻の一言だ。命を張って生き抜くカジンの強かさ、慎ましくも凛としたヨン王妃、そして快活で好奇心旺盛なピョンガンと、異なるキャラクターを自在に演じ分けていて、それぞれが魅力的だ。

ただ強いだけでなく、新鋭ナ・イヌが演じたオン・ダルとの純愛では、身を焦がすような切なさも表現。ときめくセリフで伝えられるオン・ダルへの想いには、胸が締め付けられるほどで、勇ましいアクションシーンとの甘辛具合も絶妙だ。

"戦うヒロイン"という新境地を切り拓いたソヒョンは、2021年の「KBS演技大賞」において、最優秀女優賞・人気賞・ベストカップル賞といった主要部門を制し、時代劇の女神として新たな代表作を手にした格好だ。愛くるしい瞳と清廉としたビジュアルで、男女問わずファンの多い彼女だが、本作で見せつけた気高くタフなヒロイン像をぜひ堪能してほしい。

文＝酒寄美智子

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