スーパー戦隊シリーズ「特命戦隊ゴーバスターズ」(2012年)で人気を博し、2016年にはアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で声優デビュー、Aqoursとしてアイドル活動もスタートさせるなど、さまざまな分野で活躍している小宮有紗。声優としての落ち着いた品のある声の演技やアイドルとしての明るい笑顔など、数多くの魅力を持つ彼女の礎となるものといえばやはり演技力だろう。そんな彼女の演技力の高さが感じられる作品が、映画「漆黒天 -終の語り-」(2022年)だ。
同作品は、映画と舞台が連動した企画「ムビ×ステ」の第3弾の映画版で、記憶を失くした男が、己は何者なのか、なぜ命を狙われるのか、なぜこれほどまでに強いのかという疑問を追う奇想時代劇ノワール。
江戸の町に現れたボロを纏った男(荒木宏文)は、なりゆきからコソ泥の女・喜多(小宮)を助ける。喜多は助けてくれたお礼にと、男に"名無し"という名を与えて、狂言作者の玄馬(唐橋充)、ごろつきの邑麻兄弟(松田凌、長妻怜央)らを巻き込み、その素性の手がかりを求め始める。
小宮演じる喜多は、ちゃきちゃきの江戸っ子といったキャラクターでサバサバとした性格。さらに、コソ泥といったことから度胸も据わっていて、どうしていいか分からず悩み揺れる"名無し"を引っ張るヒロインとして作品の中に生きている。そんな中で、彼女の演技力の高さがはっきりと発揮されるのは後半。あるきっかけで"名無し"が過去の自分を断片的に思い出し、その話を聞いた瞬間に、ふいに涙をこぼすところだ。思わず無意識にこぼれた涙に自分自身も驚いてしまうという演技が絶妙で、それまでの強い女性像とのギャップが素晴らしい。
放送情報【スカパー!】
漆黒天 -終の語り-
放送日時:2023年11月12日(日)14:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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