――それぞれのキャラクターを演じる上で意識されたこと、ご自身との共通点を教えてください。
雨宮「共通点ばかりでしたね。私も受験勉強して、自分にとっては勉強のできる高校に頑張って入ったのですが、高校ではそれが当たり前の環境になって、自分がどんどん特別ではなくなっていった経験をしたんです。悦ネエも挫折をした経験があるので、すごく共感しながら演じていました。役作りで言うと、悦ネエはダウナーのキャラクターとは言いつつも、リアルな女子高生っぽさもあるキャラクターではあるので、アニメらしく抑揚を強くつけるというよりは、抑揚を抑え気味にして、悦ネエの気持ちをじんわりと香らせることを意識しました」
伊藤「ヒメは悦ネエの幼馴染で、ずっと隣にいるんですけど、悦ネエのことがとっても好きで、同い年だけどちょっと成長を見守ってるお母さんみたいな雰囲気がある子なんです。だからこそ、親友で幼馴染だからといってなんでもかんでも言える関係性というよりは、お互いを尊重し合うというか、距離感をしっかり保つことを意識して演じました。見てもらえると分かるんですけど、セリフのないヒメだけの表情のカットが結構あったりするので、あ、ここでヒメはちゃんと見てるんだなとか、こういうことを考えてるのかなみたいなことを想像してもらえるんじゃないかなと思います」
高橋「リーは今回出てくる女の子たちの中だと、転校生というとこもあって、誰かとすごく深く仲がいいポジションではないんですけど、大好きなボートをフックにみんなを巻き込んでいく引力がある女の子です。私も学生時代の時に部活が大好きで、合宿をやるために先生を説得したりとかしていたので共感できるキャラクターでしたね」
江口「二宮は非常にフラットな人間ですね。その中でも好きなことに没頭する情熱的な部分もあるし、なんかいいやつだなって思います」
――江口さんから見て二宮は悦ネエの気持ちに気づいていたと思いますか?
江口「まったく気づいてないと思います(笑)。でもそういったところも含めて、すごく絶妙な関係が描かれていて、青春だなって思いました」
――「がんばっていきまっしょい」では悦ネエにとって、ボート部員がそうであったように、みなさんが頑張らなければならない時に支えにしているものはありますか?
雨宮「過去の自分です。過去の自分が頑張ってきて今があると思っていて。今はちゃんと幸せの最高潮を更新できていると思うので、今までの自分が築き上げたものを今の自分が裏切れない。そうなるとやっぱり頑張るしかないなと思います」
伊藤「犬ですね。うちの犬がとても癒しをくれるので、とにかくへこんだ時とか、もうダメかもしれないってなった時には一旦吸います(笑)」
高橋「私はいろんな作品を見ることですね。例えば、オタクになるきっかけの作品を見返して、私はこういうのが好きだったんだと再確認したり、お芝居が分からなくなったら、舞台を見に行ってお芝居の楽しさを再確認する作業をすることで、エネルギーをもらっています」
江口「僕はよく行きつけの店に行くんです。生きていると大切なのは結局人と人との関わり合いだったりするじゃないですか。そうした人との会話の中で、頑張らなければいけない時にヒントをもらえたりして。仕事に関係のない人間たちとただいるだけでも、そこにヒントが隠されているので、人とのコミュニケーションはこれからも大切にしたいですね」
取材・文=川崎龍也 撮影=MISUMI
公開情報
『がんばっていきまっしょい』
全国大ヒット公開中!
配給: 松竹
(C)がんばっていきまっしょい製作委員会
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