
怪獣が日常的に人々を脅かす世界で、防衛隊員として戦う主人公・日比野カフカの姿を描いた『怪獣8号』は、2024年にアニメ第1期が放送され、大きな話題を呼んだ。そして2025年3月28日より、アニメ『怪獣8号』第1期総集編/同時上映「保科の休日」が3週間限定で上映されている。
物語の中心となるカフカを演じるのは福西勝也。市川レノ役に加藤渉、保科宗四郎役に河西健吾、そして古橋伊春役を新祐樹が担当。第1期を通してキャラクターと真摯に向き合ってきた4人が、総集編の見どころやキャラクターへの思い、そして『怪獣8号』という作品が持つ力について語った。
――まず第1期が終わって、あらためて感じた『怪獣8号』の魅力を教えてください
新「日本国内はもちろんですが、海外人気の高さもすごく感じました。特に福西くんが海外のイベントに行っているのを見て、羨ましいなと(笑)。作品としても、男の子も女の子も楽しめて、世代や性別を問わず愛されている印象がありますし、みんなに愛される作品になっているのが本当に嬉しいです」
加藤「僕は自分のことをまだ無名だなと思っていたんですけど、この作品に出たことで名前を知っていただけた感覚がありますね。会う人に『怪獣8号に出てる方なんですね』と言っていただけて、自己紹介もしやすくなりました。あと、親や美容室の方など、普段アニメをあまり観ない方でも『怪獣8号』は話題にしてくれて。美容室で主題歌を流してくれたり、サントラをかけてくれたり。生活圏の中にも自然と入り込んでいて、本当にすごいと思いました」
福西「私は『怪獣8号』で海外のイベントに登壇して作品の魅力について語ったときに、言語が違っても、感情や熱量って表情や声のトーンだけで伝わるんだなと感じました。日本では当然言語が通じるので伝えやすいのですが、海外だとそれができないぶん不安もあったんです。でも、ステージに立ったときにその不安が吹き飛ぶくらい、作品を好きな人たちの熱を感じて。言語なんて関係ないという、作品の力の大きさを実感しました」

河西「『怪獣8号』って、他のアニメよりも万人受けする作品だと思っています。コアな層だけでなく、アニメをあまり観ない人にも届いているという印象がありますね。海外の方からの反応もすごくて、『怪獣8号が好き』と言ってくれるのも嬉しいですし、制作陣が意識してワールドワイドに作っているのが、ちゃんと世界に届いているなと。あと、普段アニメを観ない友人が『怪獣8号は観たよ』って言ってくれたり、親子でイベントに来てくれたり。小さい子も怪獣のビジュアルに惹かれてファンになってくれるんですよね。SNSでもお子さんが描いた怪獣の絵が投稿されたりしていて、そういうキャッチーな魅力があるのも作品のすごさだと思います」

――硬派な作品に見えて、所々コミカルに描かれていますよね。そういった部分も海外ではウケているのでしょうか?
福西「試みも先進的というか、他の作品にないことを色々やってたりするので、そこも刺さってるんじゃないかなと思います。...乳首からおしっこが出るなんてないじゃないですか(笑)」
加藤「ユニークだよね(笑)」
福西「何度見ても新しいなって思いますね」
――でも、『怪獣8号』は本当にアニメファン以外の層にも刺さった作品だと思います
福西「そうなんですよ。マジでそうなんすよ」
加藤「ファンの方々から『親に勧めた』とか『親と一緒に観た』とか、あるいは『実家に帰省した際に家族みんなで楽しんだ』といった声をいただきました。作品の輪が広がっているなと感じますね」
福西「親子でイベントに来てくださる方もいて、なんか嬉しいなって」

――お子さんが興味を持つきっかけに特徴的な怪獣のフォルムもあるのかもしれないですね
福西「実は、音楽で関わってくださっているスタッフさんのお子さんが『怪獣8号』の大ファンらしくて、怪獣の絵をたくさん描いてくれるんです。この前、その絵を見せていただいたんですが、本当に嬉しくて。ありがとうっていつか直接伝えられたらいいなと思いました。きっと怪獣たちのフォルムがすごくキャッチーなんでしょうね。色とりどりの怪獣を描いてくれるお子さんも多くて、SNSでもそういう投稿をよく見かけます」
――第1期を振り返って、特に印象に残っているシーンはありますか?
新「総集編の内容はカフカを中心に据えた構成になっているんですが、それ以外にも、頑張っている隊員たちや魅力的なキャラクターがたくさん登場するんです。中でも、レノと伊春のシーンは個人的にもすごく良いシーンだと自負していて、そういった部分にもぜひ注目してもらえたら嬉しいです。だからこそ、総集編を観て興味を持った方には、ぜひアニメ第1期にも手を伸ばしてもらいたいなと思っています」
福西「私は、総集編でオリジナル構成になっている最初と最後の部分がとにかく大好きで。冒頭はカフカが思い描くミナとの未来のようなシーンから始まるんです。『え、ここから始めるの!?』と驚いていると、『怪獣8号』のタイトルがバーンと出てきて...あの瞬間に『ありがとうございます!!』って思いました(笑)。そして終わりもまた素晴らしくて。重厚なBGMにのせて『ここでエンディング?』っていう絶妙なタイミングで、スッとエンドロールに入るんですよ。そこからさらにエピローグ的なシーンがあって、カフカの想いにまた触れられる。本編とは違ったオリジナルの流れが、私はもう、大大大好きです!」
加藤「10話のラストで、カフカがついに人前で変身するシーンがすごく印象に残っています。『ダメだ、先輩!』とレノが止めようとしますが、最終的にはカフカが変身してしまって、『先輩、自分が何をやってるのか分かってるんですか!』って叫ぶ場面があって。あのシーンは、ちょうど自分の収録時の状態がレノの感情とリンクしていて、自分でもすごく入り込めた感覚がありました。正直、音としての座りの良さはあまりなかったかもしれないけど、自分の演技として納得できた瞬間でした」
福西「実はあのとき、私も渉くん同様ギリギリの状態で収録していて(笑)。でもそれが逆にリンクしていて、生々しい芝居になったというか。まさに満身創痍の状態で向き合ったシーンとして、今でもすごく印象に残っています」
河西「僕が好きなのは、いわゆる"お風呂回"ですね(笑)。男性キャラクターたちの筋肉美が惜しげもなく披露されていて、露出多めな回なんですけど、キコルの『男子ってバカね』みたいな空気感も含めて、すごくいいシーンだったと思います。そういうコミカルな部分も、この作品の魅力のひとつだと改めて感じました」


作品情報
アニメ『怪獣8号』第1期総集編/同時上映「保科の休日」
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