小松未可子×佐藤拓也、令和に復活『キャッツ・アイ』は「ワクワクドキドキが詰まっている」
声優

――アフレコ時のエピソードを教えていただけますか
小松「最初に『ラブコメのシーンは思いきりラブコメをしてください』と言われました。シリアスなシチュエーションがベースとしてあるなか、遊べるところはとにかく遊ぶ...というのが印象的でしたね。特に三姉妹のシーンでは、細かなリアクションも多く、どう表現するか3人でディスカッションしました。
個人的に嬉しかったのが、三姉妹が同時にリアクションをしたとき『それぞれが三姉妹らしい振る舞いをしていた』とキャストの方に言われたことです。それぞれがキャラクターのポイントを押さえているな、と実感できて嬉しかったですね」
佐藤「年齢が近いキャストが多いため、『キャッツ・アイ』という作品を共通言語として話せるのは大きな強みかなと思っています。アフレコのときは、俊夫の息遣いや台詞に対しても、時間をかけてディスカッションできたので、自分の想いが消化できましたし、こだわりを持って作ることができました」
――三姉妹の関係性についてはどんな印象を持たれましたか?
小松「包容力があって、大人の魅力がある泪姉さんが、どっしり構えて、ブレーンとして作戦を練ってくれる。末っ子の愛ちゃんは、ガジェットの操作や発明に特化していて、頭脳明晰で好奇心旺盛。瞳は、まだ心が追いつかなくて、独断で決める部分があるけど、それを2人は分かっている...と、本当にバランスがいいなと思います。私自身は男兄弟で育ったので、小清水さんと花守ちゃんと一緒にディスカッションすることで、"三姉妹ってこういう感覚なのかな"と感じながら現場に入ることができました。この姉妹のバランスがうまく保たれているからこそ、『キャッツ・アイ』が成り立っているんだなと、ひしひしと感じますね」
佐藤「怪盗と喫茶店のお姉さんという二面性だけでなく、ひとりの人間として、三姉妹がいろいろな表情を見せてくれるのが魅力的だと思います。俊夫としては、泪さんに優しくされてそっちに行っちゃったり、愛ちゃんにいいように使われちゃったり、フラフラしていますが(笑)、やはり瞳の存在が大きい。包み込むような母性と少女のような可憐さを持ち合わせているからこそ、彼も素の自分でいられるのかなと思います」

――連載から約40年、世代を問わず『キャッツ・アイ』が愛される理由はなんだと思いますか?
小松「喫茶店を営む近所のお姉さんたちが、実は怪盗であること。そして、瞳が付き合っているのは皮肉にも刑事で、それぞれの運命を狂わせていくことなど、改めてすごい設定だなと思います。リアリティのある世界観のなかにファンタジーもあって、エンタメとしても面白いですよね。
私はリアルタイムでは見ていない世代ですが、世界観を知らなくても設定は分かります。物語やキャラクターがキャッチーで色褪せないですし、いつまでも人々の心を惹きつけるので、大衆化されていったのだと思います」
佐藤「あの時代だからこそ描けた人間の感情があって、人間関係もいま以上に濃いなと思います。漫画を読んでいても、次の展開へと気持ちを引っ張ってくれるエネルギーを感じますし、北条先生の熱が残り続けている。それが人々を魅了している理由なのかなと思います。
あと、キャッツと対峙したときに、声を聞けば"瞳だって分かるだろ!"とツッコミたくなると思うのですが、違うんです。"細かいことはいいんだよ!"というドラマが最高じゃないですか。それよりも"いつ気づかれるんだろう"、"次はどうなってしまうんだろう"にワクワクドキドキが詰まっているなと思います」

文・写真=浜瀬将樹
配信情報
アニメ『キャッツ・アイ』
ディズニープラスにて独占配信中
原作:北条司
監督:末田宜史
脚本:森ハヤシ
出演:小松未可子、小清水亜美、花守ゆみり、佐藤拓也ほか
詳しくは
こちら