――本作でお2人が共演される感想をお聞かせください。
浅沼「僕が30歳の時に声優デビューした『ゼーガペイン』は、アニメとゲームが同時進行のメディアミックス企画で、僕がアニメ版の主人公、櫻井さんがゲーム版の主人公だったんです。その時から一方的に、どこか特別な先輩のように思っていて...。どちらかが主人公でどちらかがラスボスだったり、同じクラスの悪友仲間だったり、時には加害者と被害者だったり(笑)、節目節目で櫻井さんにはお世話になっています」
浅沼「主人公やメインキャラクターを演じるとなると、いまだに僕は肩の力が入ってしまうので、今回、相手役として櫻井さんの名前を聞いて安堵の息が出たのと同時に、キャラクターのビジュアルを見て『櫻井さんまんまだ!』って思いました(笑)」
櫻井「浅沼くんは脚本などを書く頭脳も持っている上に、啄木と重なる部分があるんじゃないかなって感じるくらい、緻密なお芝居をするんですよ。キャラクターを大切にしたいという思いの強い人だなと思います。実在した人物の表現は難しいので、お互いに信頼し合っている関係性で作ることができるのは、大変ありがたいですね」
――アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
浅沼「本や映画が好きな方が多くいらっしゃって、休憩時間には、特に櫻井さんや僕、ご自身でも映画を撮られる津田(健次郎)さんが『あの映画、見た?』なんて話をしょっちゅうしています。そこに音響監督の清水(洋史)さんが入ってこられるので、作中に登場するミルクホールみたいな感じですね。(斉藤)壮馬くんは文学に詳しいので、『この文豪は知らなかったので調べてみたんですけど、そしたら...』なんて教えてくれるんです」
櫻井「作品を作るにあたってのビジョンは事前に説明を受けていたんですけど、話数ごとに細かな演出が入るので、絶えず何か考えていますね。そんな中での休憩時間は、時事的や趣味的な話で盛り上がっていますけど、梅原(裕一郎)くんは大体スッとしています(笑)。声優陣のたたずまいに、どことなく担当しているキャラクターの雰囲気があって面白いなと思いますね」
――最後に、放送を楽しみにしているファンの方たちへメッセージをお願いします。
浅沼「本作の魅力は、人の思いは喜怒哀楽の4つなんかでは収まらない、とても複雑なものであると教えてくれる部分、そして、この時代の中で生きているキャラクターたちの悲喜こもごもだと思います。実在していた人物たちの群像劇として、肩の力を抜いて見ていただきたいです。そして願わくは、登場人物が残した短歌や小説などの作品にも触れてみようと思っていただけたら幸いです」
櫻井「実在した人たちがたくさん登場して、残っている資料や史実に基づきながら、フィクションを交えての群像劇が展開します。作品の中に興味を引かれるキャラクターにまつわるエピソードがうまく散りばめられてで、ここから広がる世界がある、すごく面白い作品ですので、たくさんの方に見ていただけたらと思います」
文=中村実香
放送情報
啄木鳥探偵處
放送日時:2020年4月14日(火)0:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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