アーティストデビュー10周年の声優・寺島拓篤、音楽活動のターニングポイントになった曲とは！？

多数のアニメ・ゲーム作品に出演する一方、6月にはアーティストデビュー10周年を迎える声優・寺島拓篤。5月11日にリリースするベストアルバム『LAYERING』は、これまで発売してきたシングル・アルバムのリードトラックを収録したDISC1、寺島自らがセレクトした楽曲で構成されているDISC2の2枚組であるほか、作詞を手掛けてきた寺島の集大成とも言える新曲「GRATEFUL LAYERS」も収録されている。

さらに、5月に彼の活躍を記念したオリジナル番組がエムオン！で放送されるほか、5月と6月には大阪と神奈川でデビュー10周年を記念したライブ『10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING-』の開催も決定。精力的に活動を続ける寺島に、これまでの10周年を振り返りつつ、今後について語ってもらった。

――デビューしてからこれまでを振り返り、どのような10年でしたか？
「相当いろいろなことがあったはずなんですけど、忙しなく過ごさせていただいたのであっという間という感覚。なおかつ記念日にもともと疎い人間なので、アニバーサリー的な空気感はスタッフさんやファンの皆さんが作ってくださって、ようやく僕も10周年なんだって。遅ればせながらスイッチが入った感じです(笑)」

――寺島さんといえば作詞も担当されていますが、制作における変化はありましたか？
「作り方が変わったかどうかは正直わかりません。ただ、昔書いた歌詞をじっくり見てみて、この発想はどこから出てきたんだろうって驚くことはありますね。今の自分にしかできないこともあるし、当時の自分にしかできないこともあるので、その時にしか作れない詞だったのかもしれません」

――普段はどのようにして作詞に取り組まれていますか？
「僕がいつも書くときは、僕の思いではなく僕が好きな作品やキャラクターのことを歌詞にしているんですよ。例えば、子供の頃から好きだった作品のキャラクターを形にしてみたり、逆にいま面白いと思っている作品の主題歌を僕風に書いてみたり。だから、心境の変化に関係なく、全然違ったものを作ってしまうんですよね」

――それからするとファンへの感謝を歌った今回の新曲「GRATEFUL LAYERS」は、取り組み方が異なりますね。
「そうなんです。テーマで言えば、やっぱり"寺島拓篤"になると思うんですけど、今まで自分の思いやファンの皆さんへのメッセージをこれだけ全面的に取り入れたことはなかったので、この10周年という記念の年を支えてくれたファンの皆さんに、改めて感謝の気持ちを伝えるような歌詞にしました」

――寺島さんにとって、ファンとはどういう存在ですか。
「ファンの方がいなかったら僕は音楽活動をやっていないですね。もともと応援してくださるファンの皆さんにお返しをする意味で始めたのが音楽活動なので、はっきり言ってしまえば僕1人だけだったら音楽をやりたいとか、音楽で何かを表現したいという気持ちはゼロなんですよ。音楽を人生の柱にしている人のような生き方は僕にはできないので、あくまで声優・寺島拓篤として真剣に音楽と向き合って形にしたものを、ファンの皆さんにお届けしてきました。今回も同じようにファンの皆さんへの感謝をギュッと込めて作っています」

――その思いが「積み重ね」という意味を込めたアルバムや新曲のタイトルにつながっているんですね。
「まさにそうですね。今回は10周年として1つの集大成。それを自分らしく表現したら何になるか考えたときに、僕はデジタルイラストを描くので1枚の絵に例えてみたんです。イラストを描くときはレイヤーがすごく重要で、線画のレイヤー、色を付けるレイヤー、影絵のレイヤーみたいにいろいろなものが積み重なっていく。同じように僕が皆さんに思った感謝の気持ちや皆さんが僕にくれた気持ちがどんどん層になっていて、この10年が1枚の絵になっているんじゃないかなって。そういう意味合いでレイヤーにしようと思いました。だから、今回の新曲はストレートに受け取ってほしいですね。ありがとうという言葉がどんな形でもいいから伝わったらいいなと思いますし、これまで歌ってきたCDのタイトルを前半パートに詰め込んだので、思い返してもらえたらうれしいですね」

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