道枝駿佑(なにわ男子)&福本莉子、若手実力派俳優の2人が映画「今夜、世界からこの恋が消えても」で作り出す作品の礎となる空気感

「今夜、世界からこの恋が消えても」に出演する福本莉子と古川琴音
「今夜、世界からこの恋が消えても」に出演する福本莉子と古川琴音

(C)2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

この作品の核となるポイントは、何と言っても道枝と福本が織り成す緩やかで温かい空気感だろう。道枝は普段のアイドル活動で見せるキラキラとしたオーラは封印し、純朴で優しい男子高校生を熱演。母親が亡くなり、小説家を目指していたが筆が止まってしまった父親と2人暮らしというストレスを抱える環境にありながらも、怒ったり、焦ったり、イライラしたりなどはなく、常に優しく真織に寄り添う透を演じている。

一方、福本は記憶を無くして目覚め、昨日までの日記を読むことで記憶を繋ぎ止め、漠然とした未来への不安を抱えながらも懸命にその日を生きる前向きな少女を好演。リスクヘッジのため両親と親友の泉(古川琴音)以外に病気を知られてはいけないという状況の下、毎日明るく透と接し、本当の恋人のような関係を築いていく。

最初は真織の提案を受け入れる形で嘘の恋人になった透だったが、「お互いのことを知るため」と真織の質問に答える日々を経て、次第に心を開いていく。ゆっくり、じんわり、優しく、穏やかに、緩やかに縮まっていく距離感を短時間で描き上げられているのは、2人の作り出す空気感によるものに他ならない。それは、口調や表情、視線、所作などももちろんだが、共に心のどこかで抱えている"不安"や"誰かに身を預けて安らぎたい"という思いを互いの存在で支え合っているという、役の核となる部分をしっかりと押さえているからこそ作り出せている。

透の「真織の日記を幸せで埋め尽くしたい」という思いから、楽しい日々を紡いでいく2人。だが、クライマックスでは思いもよらぬ展開が待ち受け、涙なしでは語れない結末へと進んでいくのだが、それでも2人の役の核となる部分がブレていないことで、衝撃的な展開に説得力を与えている。

本作で頭角を現した現代を代表する "若手実力派俳優"の2人が作り出す、作品の礎となっている空気感をぜひとも味わっていただきたい。

文=原田健

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放送情報

今夜、世界からこの恋が消えても
放送日時:2023年6月3日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2023年6月4日(日)15:45~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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