女優・が堅物で恋愛とは程遠い主人公を演じる!どこか憎めない自称"高等遊民"の長谷川博己にも注目のドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」

©共同テレビジョン

しかし話が進むにつれて、それでも彼女は心の機微を理解できないなりに人間関係に対して一生懸命なのだ、ということが分かる。それは展開するエピソードによって、そして杏の演技によって、痛いほどに伝わってくるのだ。杏の出演作の中でも本作がかなりの人気を集めていることが、彼女が依子というキャラクターを魅力的に生きたことの証左といえるだろう。

長谷川博己が演じる巧は、理系の依子とは正反対の文学青年。小説や映画や漫画の世界に浸りながら、働かずに暮らす"高等遊民"...現代でいうニートのような生き方を望んでいる。実家暮らしで生活は高齢の母親に頼りきっており、結婚相手を探すのも母の代わりに寄生できる女性を探すためと、このような巧のキャラ紹介だけを見ればクズ男以外の何者でもない。

だが、それで終わらないのが古沢ワールド。長谷川の絶妙な演技も相まって、なぜか巧を憎めないのだ。放送当時のSNS上では視聴者が「あんなイケメンなら養いたい」と盛り上がるなど、長谷川自身の人気もあってむしろ愛されキャラとして受け入れられた。個性的なキャラクターに立体的な人間としての息吹がもたらされたのは、長谷川の演技のたまものだ。

コメディーにも定評のある古沢作品らしく、丁々発止な依子と巧のやり取りには思わず腹を抱えて笑ってしまう。いがみ合って互いに譲らないかと思えば少しずつ歩み寄ったり、はたまたベタなデートを重ねる中ですれ違ったり...テンポのよい会話劇に笑いながら不器用すぎる2人の恋路にキュンとできる、改めて見直したい恋愛ドラマの名作だ。

文=本永真里奈

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放送情報

デート~恋とはどんなものかしら~
放送日時:7月30日(日) 0:55~ほか
放送チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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