元宙組トップスター・真風涼帆をはじめ、スターたちが「男の美学」を表現したタカラヅカ版『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』

潤花
潤花

原作・著作・構想/HI-AX ©宝塚歌劇団  ©宝塚クリエイティブアーツ

そして、もう一筋の物語が、原作の前日譚としての、コブラとカナの淡い恋である。先ごろ退団した宙組トップコンビの真風涼帆と潤花が、このカップルを演じる。病と健気に戦う天真爛漫なカナを、コブラがぶっきらぼうながらも優しく包み込む。

「White Rascals」のパーティではカナがチャイナ服を身につけ、「達磨一家」の祭りの場面では、2人が浴衣姿で登場する。さらにコブラとのバイクのタンデムも見せてくれる。テレビドラマや映画では見られないコブラの一面が垣間見えるのが、タカラヅカ版の醍醐味である。

幕開けに大階段が登場し、5チームが順に降りてくると、テンションが一気に上がる。「鬼邪高校」は紺、「達磨一家」は赤、「RUDE BOYS」は緑、「White Rascals」は白、そして「山王連合会」は黒というチームカラーが、舞台では映える。事件が一件落着した後のラストシーンで、5チームが再び揃い踏みしてくれるのも嬉しい。思わず「待ってました!」と叫びたくなる。
 
一方、タカラヅカらしい華やかさを感じさせるのが、「White Rascals」が開催するパーティーの場面である。めかし込んで仮面まで持って出かけるコブラとヤマト(紫藤りゅう)、ダン(若翔りつ)、テッツ(亜音有星)の姿は、「ロミオとジュリエット」の仮面舞踏会のシーンを彷彿とさせる。

とにかく「タカラヅカで『ハイロー』を舞台化するなら、これは見たい!」というシーンが「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」では目白押しとなっている。

文=中本千晶

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放送情報【スカパー!】

HiGH&LOW -THE PREQUEL-('22年宙組・東京・千秋楽)
放送日時:10月5日(木)18:00~ほか
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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