アイナ・ジ・エンドが見せる圧巻の歌声と表現力！広瀬すずらと共に繊細な人間模様を展開した「キリエのうた」

難役を堂々と演じ切ったアイナのほか、次代を担う俳優陣が"運命の4人"を演じた。広瀬すずが演じたイッコは、色とりどりのウィッグに独特の空気を纏う掴みどころのないキャラクターで、従来のイメージを覆す役どころだ。華やかさだけではない確かな実力を誇る広瀬が、役柄同様にアイナを支えている。姿を消したフィアンセを捜し続ける青年・夏彦を演じたのは松村北斗(SixTONES)。夏彦は過去にとらわれ、複雑な思いを抱えて生きる青年。繊細な心とその変化も松村が自然体で魅せた。さらに、フミ役の黒木華も清らかな慈愛を体現し、安定した演技で存在感を発揮した。

物語は、場所と時を行き来しながら展開し、まるでパズルのピースが合わさるようにキリエの過ごしてきた日々が浮かび上がる。アイナが魂を込めて歌う唯一無二の歌声が繋ぐ"運命の4人"の13年間の出逢いと別れ。叙情的で美しい映像の中で、孤独や苦しみを抱えながら必死に居場所を見つけようともがく若者たち...彼らが織り成す人間模様は、本作の大きな魅力だ。

文＝中川菜都美

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