二階堂ふみが苦悩を声に込めた演技を見せ、長谷川博己との禁断の恋に落ちる映画「この国の空」

映画において戦争というのは大きな一つのテーマだ。その中でも第2次世界大戦時の日本にスポットを当てた作品が邦画では多く、最近では「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」が記憶に新しい。今回はそんな第2次世界大戦時の日本を舞台とした「この国の空」を紹介する。

■戦時中の日本という題材

禁断の恋の落ちる里子(二階堂ふみ)と市毛(長谷川博己)
禁断の恋の落ちる里子(二階堂ふみ)と市毛(長谷川博己)

(C)2015「この国の空」製作委員会

「この国の空」は1945年の東京で母と暮らす19歳の田口里子(二階堂ふみ)が隣家に住む38歳の銀行員であり妻子持ちの市毛猛男(長谷川博己)と恋に落ちてしまう様子を描いた作品だ。

端的に書いてしまうと内容が薄く感じるかもしれない。しかし、戦時中というのがこの作品に厚みを持たせる。田口は19歳で本来であれば嫁ぐはずの女であったが、戦時中で若い男がおらず、嫁ぐことはなく母と二人三脚で暮らしている。暮らしぶりは戦時中にしては悪くはなく3食食べることが出来ていた。市毛は兵役の義務を免れており、いつ自分も招集されるかという恐れを抱きつつも生活はしっかりと成り立って家ではヴァイオリンを嗜む余裕もある。

両者共に戦争中にもかかわらず、多少の恋愛を出来る余裕があるのだ。それとは対照的に戦地や空爆の激しかった地域では多数の死人が出ている。それは実際に市毛が見た死体の話であったり、ラジオ・新聞で里子をはじめとする人々のニュースを確認したりする姿からも他の場所での被害はある程度想像出来るように描写されており、だからこそ妻子持ちという垣根を越えて時代背景的にも禁断の恋なのだ。

■二階堂ふみの作り出す緻密な世界観とは

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放送情報【スカパー!】

この国の空
放送日時:9月20日(金)6:15~
放送チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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