山田孝之がファンタジー要素を自然に表現!原作・万城目学の映画「鴨川ホルモー」

(c)2009 「鴨川ホルモー」フィルムパートナーズ

山田孝之といえば自身の年齢とも離れた役柄も巧みに演じる印象があるが、本作公開当時山田の年齢は25歳。安倍が21歳ということで大分近い年齢である。それもあり、本作の山田の芝居には21歳大学生という大人とも子供といえない微妙な演ずるには難しい立場をそつなく演じているような脱力感がある。

例えば蘆屋満(石田卓也)とのズレが表面化したようなサークル1年のみを集めた飲み会では蘆屋の傲慢な部分を流せず、斜に構えてバカにするような態度を表情豊かに表現しているが、逆に青竜会の飲み会の帰り際には怪しすぎて入会することはないと冷静な判断を下している。この大人と子供のような2面性は大学生を経験したことがある視聴者にはどこか覚えがある感覚の人も多いはずであり、山田の立場への理解力と表現力が優れているという証明だろう。

また、この作品はファンタジーでありオニとホルモーに関しては現実にはない。その中で山田は視聴者が笑ってしまうくらい堂々と滑稽なフォームでオニ語を唱える。このファンタジー要素を含む作品中の圧倒的存在感と説得力は山田の武器で、「鴨川ホルモー」以後に公開された2011年の「勇者ヨシヒコと魔王の城」でも大ヒットの要因となったが、本作でも存分に発揮されている。是非とも山田孝之の現実とファンタジーに対する芝居を楽しみながら鑑賞してみてほしい。

文=田中諒

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放送情報【スカパー!】

鴨川ホルモー
放送日時:10月6日(日)17:00~
放送チャンネル:WOWOWシネマほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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