時代劇の山口馬木也を楽しみたいのであれば、外せない作品として挙げられるのが「剣客商売」。時代小説の大家・池波正太郎の「剣客商売」を原作にしたテレビ時代劇で、何度も映像化されてきた。その1つ、1998年から始まった藤田まこと版「剣客商売」に山口がレギュラー出演していた。
山口が登場したのは2003年1月から5月にかけて放送された第4シリーズに、藤田演じる剣客・秋山小兵衛の息子・大治郎役を、第1・2シリーズで演じた渡部篤郎から引き継ぐ形で登場。続く第5シリーズと、6作の「スペシャル」にも出演した。
人気シリーズの途中参加ではあったが、第4シリーズの第1話を見ると、渡部篤郎の"大治郎"とはまた違う魅力を持つ"大治郎"だと感じられ、シリーズのファンにもすぐに受け入れられた。"剣一筋"の真面目な性格の大治郎役が、うまく山口にハマったということだろう。藤田まことをはじめ、小林綾子、第4シリーズで大治郎の妻となる三冬役の寺島しのぶ、梶芽衣子らとファミリーのような雰囲気でシリーズもスペシャルも見ていて安心感があった。
ホームドラマチャンネルでは山口が出演した「剣客商売スペシャル」全6作品を放送する。その中から「助太刀」、「母と娘と」、「女用心棒」の3作に注目したい。
2004年12月に放送されたスペシャル第1弾「助太刀」は、小兵衞が旧友の酒井善蔵(蟹江敬三)と再会。善蔵は大病を患っていたが、娘・お信(中原果南)の看病のおかげで回復した。忠兵衞(山田純大)という婿も得て、封鎖した道場を再興する。一方、大治郎は道端で扇子を売る浪人・林牛之助(益岡徹)と知り合う。牛之助は父親の敵を探す若者・伊織(石田法嗣)に剣を教えていたが、伊織の敵が忠兵衞だということが分かった...。複雑な人間模様が描かれ、見応えのある展開になっている。
2005年1月放送のスペシャル第2弾は「母と娘と」。小兵衞は余命いくばくもない村松太久蔵(夏八木勲)と知り合った。彼の娘さよ(宮本真希)は病で死んだ母親の顔を知らない。同じ境遇の三冬は、さよを妹のように思った。一方、大治郎は大店の金庫番・源太郎(高杉瑞穂)が浪人に襲われているところを助けたが、彼の父親はかつて小兵衞が捕らえた罪人だった。太久蔵の見舞いからの帰り道、三冬とさよは与太者に絡まれている女絵師・瀬川幽仙(松原智恵子)を助けるが、さよの名を聞いた幽仙の顔色が変わった...。豪華女優陣の共演もこの作品の見どころとなっている。
そして「女用心棒」は、2006年6月に放送された第4弾。誘拐されそうになっていた娘・お雪(大西麻恵)を三冬が助けた。彼女は大店の小間物問屋・山崎屋の一人娘だった。山崎屋の隠居・鉄五郎(大滝秀治)と小兵衛は以前から付き合いがあり、鉄五郎から家の事情を聞き出すことができたのだが、娘婿の卯兵衛に店を継がせたくない鉄五郎は、孫のお雪に婿養子を取ってもらって店を譲るつもりだという。お雪には思いを寄せる人がいるのを知っているが、店のために縁談を進めている鉄五郎。お雪を守るために三冬は用心棒を務めることに。小兵衞、大治郎、そして三冬の大立ち回りなど、迫力のある殺陣が見どころ。
「侍タイムスリッパー」や「鬼平犯科帳・桜屋敷」など、"時代劇"の良さを再発見させてくれる作品に出演している山口。そんな山口の演技を、「剣客商売スペシャル」からも感じ取ってもらいたい。
文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
剣客商売スペシャル 助太刀
放送日時:2024年12月28日(土)7:15~、2025年1月13日(月)7:00~
剣客商売スペシャル 母と娘と
放送日時:2024年12月28日(土)9:23~、2025年1月13日(月)9:07~
剣客商売スペシャル 決闘・高田の馬場
放送日時:2024年12月29日(日)7:30~、2025年1月13日(月)11:15~
剣客商売スペシャル 女用心棒
放送日時:2025年1月2日(木)8:00~、2025年1月11日(土)19:00~
剣客商売スペシャル 春の嵐
放送日時:2025年1月2日(木)10:10~
剣客商売スペシャル 道場破り
放送日時:2025年1月3日(金)9:00~、2025年1月13日(月)13:24~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
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