
(C)2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
■登場人物のキャラクターが恋愛観について考えさせられる
台詞劇のような側面も持っているのが本作だ。沙苗、健太、足立の過去の背景は断片的な場面でしか語られず、発する言葉をヒントに見る側の想像力に委ねられる。愛の話になると雄弁になり、時に感情を制御できなくなる沙苗は盲目的な側面を持つ女性。平和主義者の健太とは対照的ゆえ、ひたすら妻に翻弄されていくようにも思えるが、沙苗の過去を知って目が死んでいることに納得し、「殺そうとしたけど、逆に殺されたんだな」と返すあたり、実は鋭い感性を持っているという解釈もできる。そして、沙苗に「現実をバカにしないでよ」と苛立ちをぶつける足立もまた愛に葛藤している。愛について問いかけを残す本作、仮面をつけたような美しく寡黙な顔とエキセントリックな顔を使い分けた橋本の演技にゾクゾクさせられる。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
熱のあとに
放送日時:3月1日(土)5:00~
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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