そして、詩杏と秘密の同盟を結ぶ蓮見を、長妻怜央がフェロモンたっぷりに演じている。自分とぶつかり、パニックの発作でその場にしゃがみ込んでしまった詩杏に対し、冷たい視線を投げかけながら「そうやってじっと待っていれば、誰かが助けてくれると思ってる？残念だけど誰も助けてくれないよ、自分でなんとかするしかない」と言い捨てる蓮見。しかし、長妻はその声とまなざしに確かな温かさを潜ませ、蓮見の不器用な優しさをさりげなく表現した。

第1話のクライマックスでは、律子が実は詩杏の暮らすマンションの隣人で、彼女の電話を盗聴していることや、"美少女・律子"ではなく"美少年・律樹"であることを着替えやシャワーシーンなどの大人なムードの演出で表現し、ストーリーは急加速。第2話以降も、蓮見が日和や店長など多数の女性と特別な関係を築いていることや、律樹と詩杏には過去に交流があったことが匂わされるなど、背筋ゾワゾワ＆胸キュンの展開が待ち受けている。

松井、長野、長妻というキャスト陣の演技によって、原作コミックの魅力を再現したスリリングなサイコラブサスペンス。その結末をしっかりと見届けてほしい。

文＝中村実香

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