山田裕貴、現場で譲らなかった"主人公の信念"「『絶対に嫌です』と...」映画『爆弾』インタビュー

俳優

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――本作を手がけた永井聡監督について、どんな印象をお持ちですか?

「『監督がこの作品にものすごく愛情を注いでる』という話を聞いたのですが、それもあってか、カットされているシーンが多いんです。撮ったのに使わなかったのにはその理由があるはずで、それは(本作に愛情を注ぎ込んだ)監督にしか分からないことでもあると思っていて。

実は今回のラストも、台本には描かれていたあるシーンをバッサリカットしていました。そこに"なんでカットしたんだ!"と怒っているのではなく、どういう意図や想いがあったのか、すごく気になっていて...。別現場でお会いした際、お聞きしましたが教えていただけませんでした。面白い方だなと思いました」

――そんな監督とは撮影中どんなやりとりがあったのでしょうか?

「劇中、類家はクイズで遊んでいるタゴちゃんに対して『こいつを倒す』と思っているわけです。彼にとって、電話や会議室に行くとき以外で椅子から離れるのは、『リングから降りる』と同じこと。だから、監督から『歩き回って推理をしてほしい』、『ちょっと立ってほしい』と言われても、『絶対に嫌です』と譲らずにいました。撮影が終わったあと、監督に『一番言うことを聞かなかったね』と言われたのですが、でもそれも類家っぽいなって(笑)」

――山田さんのなかに確固たる類家のキャラクター像があるんですね

「そうですね。対峙していてもタゴちゃんから視線を外したくないし、何も逃したくはない。『取調室を歩きながら...』とか『情で落とす』とか、そんなの通用しない相手だと分かっているから、ずっとそこに座って相対している...。監督にこうしたことがやりたいんだ、と伝えたら、『いや画角がね...』と。もちろんそれも分かるのですが、『監督、信じましょうよ』と説得しました」

文・写真=浜瀬将樹

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公開情報

映画「爆弾」
公開日:2025年10月31日(金)
原作:呉勝浩
監督:永井聡
出演者:山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗ほか

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